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浜松市の区再編、天竜区単独の3案に 地域課題に対応

浜松市の行政区再編を議論する市議会の特別委員会は31日、再編後の区割りについて、現在の天竜区を単独で残す3案をまとめた。たたき台6案の中から絞り込んだ。天竜区が抱える人口減少や脆弱な生活インフラなどの地域課題に対し、現場に即して重点的に対応できるようにする。年内の最終案内定に向け、協議は終盤にさしかかる。

特別委が3月にまとめた現行7区を2~4区に減らす6案のうち、天竜区をそのまま残す案を選び、他地域と合わせる「複合」案を除外した。協議の末、全会派が賛同した。区の数は2~4区案が1つずつ。これまで6案は、天竜区の単独案と複合案に二分されており、その扱いが焦点となっていた。

「天竜区の特異性を考慮すると単独で残すのが望ましい」。31日の協議では、最大会派の自民党浜松をはじめ多くの会派からこうした意見が出た。天竜区は区域のほとんどが森林地帯だ。市の面積の6割以上を占める一方で人口はわずか3%であるなど、他の6区とは地域性が大きく異なる。

近年は人口減少が深刻だ。最近10年間で20%以上減り、人口約2万7000人のうち65歳以上の割合は46%と7区の中で突出して高い。頻発する自然災害への対応も課題だ。2020年に発生した大雨による災害では国道152号の一部区間が数カ月にわたって通行止めとなり、住民は長距離の迂回を強いられた。国道は暫定的に開通したが、対策工事には時間がかかる。

天竜区を単独で残す狙いの1つは、こうした地域課題の所在を明らかにし、重点的に対処しやすくするためだ。鈴木伸幸副市長は「天竜区を巡る状況は厳しい。現場に即した対応をとるためには単独で残す必要がある」と話す。

予算や人的資源を振り向けやすくなる可能性もある。市当局は天竜区を単独で残す場合、3人の副市長のうち1人を同区に配置する意向を示している。市の案では、この副市長が天竜区を含む区政全体を管轄する。予算や人事の権限を持つ副市長が常駐することで、同区は予算要求や制度作りなどで調整しやすくなると考えられる。

天竜区を単独で残せば同区選出の市議会議員を一定数確保できることも考慮した。他地域と合わせて区域が広がれば、天竜区の地域から選出する市議が今の3人から減る可能性があり、地域の声が市政に反映されにくくなる懸念があった。

一方、複合案を推していた公明党は「他地域と一緒になれば新しい意見をとり入れ、活性化につながる」と説明。ただ、合区しても人の移住が進むとは考えづらく、人口減など地域課題の根本的な解決にはつながらないとの見方があった。最終的に公明党も単独案に納得した。

高林修委員長は「非常に重い議論だったが、予定していた時期に結論を出せてよかった」と述べた。天竜区の扱いを巡っては、同区の自治会連合会が5月に単独案での再編を鈴木康友市長と市議会の鈴木育男前議長に申し入れていた。

特別委は9~10月に各区の自治会連合会と区協議会で説明会を開き、3案を選んだ経緯について報告する。最終案の内定は12月中を目指している。新しい区制度の施行は最短で24年1月になる見通しだ。

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