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福井テレビ、超小型衛星と通信実験 システム販売めざす

福井テレビジョン放送(福井市)は放送用の中継車(移動局)を使い、福井県の企業などが製造する超小型人工衛星との通信システム構築へ実証実験を開始する。小電力無線を活用して無線従事者や無線局の免許を不要とするのが特徴。システムのレンタル・販売や県産衛星の「商品力」向上などを想定し、3~5年程度での事業化を目指す。

産学官でつくる「ふくい宇宙産業創出研究会」の参加企業・団体と連携し、9月から実験を始める。アークエッジ・スペース(東京・千代田)のアンテナや春江電子(福井県坂井市)が開発した衛星追尾装置を搭載した移動局から、低出力電波を衛星に向けて送信。衛星から固定局で受信したデータを、福井テレビを中継し移動局で受け取る。

まず同研究会が開発に関わり2019年に宇宙空間へ放出したルワンダ向け衛星を使って実験する。福井大学などが開発して21年度中に打ち上げを予定する「OPTIMAL-1」の運用が始まれば、移動局と衛星の双方向での通信も実験する考えだ。

縦横10センチ、高さ30センチ程度の超小型衛星と通信できる情報量は限られる。福井テレビによると、移動局の位置を示す緯度・経度や温度といった情報や、衛星を動かすコマンドを送信するという。初年度の事業費は約200万円で、このうち100万円を上限に県の補助を受ける。

実験は22年度も続ける考えで、「3~5年程度でマネタイズ(事業化)できれば」(水野忠和取締役)という。「データ量は少ないが急いで送りたい」といった需要が大学などにあるという。固定局のトラブル時などにバックアップ回線としての利用も見込み、システムのレンタル、販売につなげたいとしている。通信インフラが脆弱な国などに向け衛星とのセット販売も視野に入れる。

電通の調査によると、全国のテレビ広告費は20年に1兆6500億円と前年比11%減少した。新型コロナウイルス禍の影響が大きいものの、ここ数年は減少傾向にある。人口減などで経営環境の厳しさが増す地方のテレビ各局は、経営基盤強化のために独自の新規事業を模索している。

福井テレビの今回の実験は「宇宙産業を推進する福井ならではの取り組み。電波を扱うテレビ局として親和性がある」(水野取締役)。地域の産業振興への貢献と自社ビジネス強化の双方を目指す考えだ。

(佐藤栄基)

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