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北関東3県観光地、コロナ禍2度目のGW 誘客・対策工夫

笠間の陶炎祭では混雑回避のため販売を事前チケット制にする陶芸家も(29日、笠間市)

新型コロナウイルス禍が続く中で、2度目のゴールデンウイーク(GW)が始まった。東京など4都府県に緊急事態宣言が発令され、北関東の観光地は強い逆風にさらされている。関係者は近場旅行を楽しむ「マイクロツーリズム」促進や独自の安全対策などで工夫をこらす。コロナ感染拡大を防ぎつつ経営への影響を最小限に抑える、ウィズコロナ観光への模索が続いている。

鬼怒川温泉の日光きぬ川ホテル三日月(栃木県日光市)は地元需要喚起策として「がんばれ栃木県! 栃木県民応援プラン」を始めた。県内在住者が対象で、同プランで申し込むと館内のレストランやラウンジ、土産物店で使える1000円分のクーポン券をサービスする。「県内の方にぜひ利用してほしい」(菊池保匡支配人)という。

県境などエリアをまたぐ移動の自粛が求められるなか、ホテル三日月のようなマイクロツーリズムに注目する動きが目立つ。自治体を挙げての取り組みもあり、那須塩原市は4月上旬から市民向けに市内宿泊施設の利用料金の一部を負担する制度を始めた。

期間は5月9日までで、4月30日時点で予算の6割程度が利用されているという。市の担当者は「緊急事態宣言の影響で市内宿泊施設の予約に空きが出ている。市民には制度を利用して市内のことを知るきっかけにしてほしい」と話す。

独自の感染対策を打ち出すのは草津温泉(群馬県草津町)だ。温泉水で手を洗う「手洗乃湯(てあらいのゆ)」を中心部に複数設けた。2月に群馬大学が草津の温泉水に抗コロナ効果があると発表したことを受け、観光客向けに町が設置した。草津温泉観光協会などによると、アルコール消毒液代わりに使うことができるという。

ただ、東京都などでの緊急事態宣言発令や群馬県民対象の宿泊割引が中止となったことによる逆風は免れ得ない。「ホテルや旅館などでGW中の予約キャンセルが増えてきている」(同協会の福田俊介事務局長)という。

東武ワールドスクウェアで展示が始まったミニチュア首里城(24日、栃木県日光市)

屋外で観覧する施設も対策に手を抜かない。世界各地のミニチュア建築が並ぶテーマパークの東武ワールドスクウェア(栃木県日光市)では、24日に展示を始めた「首里城」周辺の密対策を徹底。「混雑しそうな場合は、人数や観覧時間を制限する予定だ」(根本幸央総支配人)。園内の飲食店では今春、全店に二酸化炭素(CO2)濃度の測定器を導入して換気の目安としている。テラス席など屋外の飲食スペースも拡充した。

那須どうぶつ王国(栃木県那須町)では園内の客が5000人を超えた場合は入場制限し、各駐車場で整理券を渡して待ってもらう予定だ。東京などに緊急事態宣言が発令されたが、「那須周辺では宿泊客がコロナ前に比べ8割程度まで戻ってきているようだ。東京以外の関東圏から来るお客さんは一定数いるのでは」と期待をかける。

笠間焼の産地、茨城県笠間市では29日、GW恒例の一大陶芸イベント「笠間の陶炎祭(ひまつり)」が2年ぶりに開幕した。5月5日までの1週間、新型コロナ対策をとりつつ約200の陶芸家や販売店が展示販売する。陶炎祭は陶芸家によっては年間収入の半分近くを占める重要イベントだが、昨年はコロナ禍で初の中止となった。

陶炎祭の会場では飲食を特定スペースに限定した(29日、笠間市)

会場では入退場口を2カ所に限定して検温や手指消毒を徹底し、飲食は特定スペースのみとした。人数は常時5000人を超えないよう制限。陶芸家らも精算口にビニールシートを設けたり、一方通行の表示をしたりとそれぞれが工夫をこらす。同協会は東京などからの来場自粛を求めているが、点検や入場拒否の強制力はない。陶芸家の森永篤史さんは「地元の人に足を運んでもらえるきっかけになれば」と語った。

陶炎祭は例年、東京在住者らを含めて50万人以上が訪れるイベント。今年の来場者数はこれを大きく下回りそうだ。陶芸家の大貫博之さんは「今年は来場者数より安全な開催が最優先」と語る。窯元である向山窯(笠間市)の増渕浩二社長も「成功かどうか現時点ではわからない。感染者を出さない覚悟で臨まねば」と気を引き締めていた。

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