群馬銀行、元行員の再雇用制度を拡大 「卒業生」に門戸
群馬銀行は29日、転職や起業などを理由に中途退職した元行員を再雇用の対象とする「アルムナイ(卒業生)採用制度」を12月1日から導入すると発表した。これまでの再雇用制度は退職理由が結婚や出産、育児や介護などに限られていた。銀行以外で磨いたスキルを持つ元行員を、専門人材や即戦力として確保する狙い。
これまでの再雇用制度は退職理由のほか、同行での勤続年数や離職期間、年齢などの条件があり、結果的には女性の活用がほとんどだったという。それらの条件を廃止し、希望者は広く受け付けて選考を行うこととした。
群馬銀ではここ10年間で約800人が中途退職しているという。「退職者にこちらからコンタクトできないのはもったいない。戻ってこられるように仕組みを作っておく」(同行の後藤明弘常務)ことで、外部でスキルを磨いた元行員にも門戸を開く。
今後は、退職した人と銀行がつながりを持ち続ける「アルムナイネットワーク」の構築を検討している。深井彰彦頭取は「中途退職者は銀行とは違う場所でいろいろ経験しているうえ、銀行の業務にも理解があり、戦力になりやすい」と話した。
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