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スルガ銀の不正融資問題、投資マンションでも火種

(更新)
弁護団の会見の様子(29日、静岡県沼津市)

経営再建中のスルガ銀行に新たな暗雲が垂れこめている。家電量販大手のノジマが提携解消の意向を伝えたのに続き、29日に開いた定時株主総会に株主である「被害者弁護団」が出席し、投資用のアパート・マンション向け融資の不正を巡り議事が紛糾した。弁護団は8月にも交渉団をつくり、スルガ銀側に問題解決を迫る。

29日の総会で複数の株主が「(アパート・マンション融資で)不正融資による被害が出ている」と追及。「議場ではやじが飛び、議事が混乱したため、総会を途中で打ち切った」という。

アパート・マンション融資は「一棟収益ローン」と呼ばれ、今年3月末の残高は1兆960億円で全融資の47%を占める。不正が発覚し、金融庁が2018年10月に行政処分を出したシェアハウス向け融資が2000億円程度だったことを考えると、問題化したときのインパクトは大きい。

もっとも、弁護団の主張するように不正があったと決めつけるのは時期尚早だ。当時を知る関係者によると、スルガ銀も、立ち入り検査した金融庁も一棟収益ローンでの不正の有無は「厳密に調査していない」からだ。

スルガ銀は不正を認めたシェアハウス向け融資について、債務者に資金を弁済する方針に転換。8月にもその受け付けを終了すると発表し、不正融資問題は終結するとみられていた。

しかし、今年5月、「被害者弁護団」が発足し、風向きが変わった。株主総会後に記者会見した弁護団によると、参加するアパート・マンションの所有者は29日時点で144人。1人あたり平均1~2棟を所有し、1人あたり2億円以上の借金があるとみられる。

スルガ銀行の株主総会に向かう株主(29日、静岡県沼津市)

シェアハウス向け融資でも被害救済を引っ張った河合弘之氏(スルガ銀行・スマートデイズ被害弁護団長)も「アパート・マンション融資はスルガ銀がより主体的に顧客を巻き込み悪性が強い」と訴えた。

29日の総会では提携解消を申し入れたノジマが嵯峨行介社長ら取締役の選任など2議案に反対票を投じたものの、賛成多数で可決した。今後、提携解消交渉が本格化するなか、不正融資問題で新たな火種を抱えることになる。

(亀田知明、金融エディター 玉木淳)

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