山梨県がヤングケアラー支援計画 3カ年目標を設定

山梨県は28日、日常的に家族の介護や世話をする18歳未満の子ども「ヤングケアラー」を支援する3カ年計画を策定した。県民全体への理解促進活動や支援人材の育成、ヤングケアラー本人たちの居場所づくりなどの支援体制を重層的に構築し、本人たちの生活満足度の向上に努める。
県は2021年度と22年度に実施したヤングケアラー実態調査をもとに、県内の子どもの3.6%(約28人に1人)が支援対象と位置づけた。計画では24年度までの具体的施策と数値目標を定めた。例えば22年度調査で5.3点(10点満点)だったヤングケアラー本人の生活満足度を7.3点に引き上げるとしている。
ヤングケアラーへの理解を促進するためにSNS(交流サイト)などを通じた広報活動や啓発事業を展開し、ヤングケアラーの認知度を子ども、大人ともに80%に高める。22年度調査ではそれぞれ55%と70%だった。県民の認知度を高めて地域全体で支えるという意識を醸成する。
ヤングケアラーやその家族を支援する専門職を養成するための研修も充実させる。24年度までに専門のコーディネーター60人の養成を目指す。子ども本人が利用できる相談窓口を設置したり、子ども食堂や学習支援などができる居場所づくりなども進める。
計画では「すべての子どもが夢に向かって挑戦できる やまなし」という基本理念を掲げた。県はヤングケアラーに特化した支援計画は全国の自治体で初めてとしている。