北陸電の太陽光発電設備 前田工繊グループ向けに増設
北陸電力は28日、前田工繊の工場に太陽光発電設備を増設し、同社グループのBBSジャパン(富山県高岡市)の本社工場(同)に電力を活用すると発表した。前田工繊とは電力を使う事業者などの敷地に発電設備を設ける「オンサイトPPA(電力購入契約)」を結んでおり、電力の供給先がグループ企業にも広がる。

北陸電のオンサイトPPAで、契約先のグループ会社に電力を活用するのは初めて。前田工繊の福井県内の4工場の屋根に太陽光発電設備を設ける。すでに着工しており、2023年1月に増設工事が終わる予定だ。
増設分のパネル面積は7360平方メートル。1年間の発電電力量は約1600メガワット時で、一般家庭約590世帯に相当する。二酸化炭素(CO2)削減量は年間760トンを見込む。自家消費できなかった分は、BBSジャパンに供給する通常の電力を再生可能エネルギーと見なすことができる。
前田工繊では22年2月からオンサイトPPAの運用が始まった。発電電力量は約230メガワット時で、一般家庭約80世帯に相当する。CO2削減量の見通しは年間110トン。これに増設分が上乗せする形となる。
発電設備は北陸電力グループが所有し、維持管理も担う。10月末時点で、北陸電のオンサイトPPAの実績は19件という。