横浜市、小5の5人に1人家族の世話 ヤングケアラー調査
横浜市は28日、大人に代わり日常的に家族の介護や世話をする「ヤングケアラー」の実態調査の結果を発表した。小学5年生の5人に1人(20.3%)が世話をしている家族が「いる」と回答した。中学2年生の7人に1人(13.5%)、高校2年生の19人に1人(5.4%)も「いる」と回答。自分がヤングケアラーだと思う子どもの割合は回答者全体で小5が1.7%、中2が0.9%、高2が0.6%だった。
調査は横浜市内の公立学校に通う小5、中2、高2の合計7万5000人を対象に6~7月に実施。学校を通じて生徒に依頼し、インターネットで任意に回答を募り、約60%の4万5490人から回答を得た。
自分をヤングケアラーと思う人のうち、世話をしている相手(複数回答)は「きょうだい」が最も多く、いずれの学年でも70%を超えた。次いで父母、祖父母と続いた。世話をしている理由(複数回答)については「きょうだいが幼い」「仕事などで保護者の帰りが遅い」が多かった。高校生は「知的障害」「身体障害」「認知症」など家族の障害や病気などの理由も目立つ。
世話の頻度は「ほぼ毎日」がいずれの学年も6割前後で最も多かった。高校生は95%が週に3日以上世話をしているという。費やす時間は、3時間未満が多かったが、7時間以上との回答も小5で11.7%、中2で14.4%に達した。
「勉強する時間がない」「友達と遊ぶことができない」などヤングケアラーと思う子どもの約4割が世話の影響を受けていると回答した。一方で、小・中学生の約6割、高校生の4割が、誰かに相談した経験が「ない」と答えた。市は調査をもとに学校・区役所などと連携を強化して支援を進める。