戦国大名・朝倉氏の遺跡博物館オープン 福井・一乗谷

戦国大名の朝倉氏とその城下町の栄枯盛衰を出土品などから体感・学習できる「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」(福井市)が1日、開館した。2024年春の北陸新幹線敦賀延伸を控え、観光振興に向けて福井県が整備してきた。式典で杉本達治知事は「遺跡へ行く人がまずここに集まり、一乗谷を知って楽しむ。ゲートウエーの機能が大事だ」とあいさつした。

一乗谷は最盛期に1万人が住む大規模な町だったとされるが、朝倉氏が織田信長に敗れて焼き払われた。戦国期の城下町遺構がそのままの姿で発掘され、国内における中世都市遺跡の発掘調査の先駆けとなった。一帯の278ヘクタールが国の特別史跡に指定されている。

博物館は半世紀を超える遺跡の発掘調査による出土品などから厳選した約800点を展示する。5代当主義景の居館の一部を原寸大で再現したほか、町並みの巨大ジオラマや川湊「一乗の入江」の石敷き遺構の露出展示もある。また、映像や赤色立体地図を使って遺跡全体を理解できるようにした。当初、年20万人の来館を目指す。
JR越美北線の一乗谷駅近くに立地する。同線では開館に合わせ、1日から朝倉氏の家紋や武将を描くなどしたラッピング列車が運行される。土日祝日には同館と徒歩30分ほどの遺跡中心部の間を無料バスが約15分間隔で巡回する。入館料は一般700円。入館は当面、同館サイトでの予約制としている。
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