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中国5県の路線価、4年ぶり下落 コロナ影響重く

(更新)
コロナ第4波で岡山県にも緊急事態宣言が出た(最高路線価地点の岡山高島屋前、5月16日)

広島国税局が1日発表した2021年の中国5県の路線価(1月1日時点)によると、標準宅地の平均変動率は前年比0.4%の下落となった。マイナスに転じるのは4年ぶり。新型コロナウイルス感染拡大に伴う景気の悪化で、土地取引が減少したことなどが響いた。繁華街やオフィス街での下落が特に目立っており、回復基調に戻るまでは時間がかかりそうだ。

路線価は主要道路に面した土地の評価額で、相続税や贈与税を算定する基準となる。5県全体の継続地点に占める上昇地点の割合は12.9%と、前年から24.9ポイント下がった。

山陽3県の路線価はいずれもマイナスに転じた。広島県では0.3%下落で、マイナスとなるのは6年ぶり。広島市中区にある最高路線価の地点「胡町相生通り(南側)」は3.3%下落と、9年ぶりにマイナスに転じた。福屋八丁堀本店の前で、周辺はオフィスビルや商業施設などが集積するエリアだ。コロナ禍の人出減少を受けてビルの低層階に入居する飲食店などの収益性が落ち込んだことが響いた。

ここ数年は5県の地価上昇をけん引してきた広島だったが、コロナ禍で一服する形となった。ただ、再開発が進む広島駅北口エリア(広島市)では上昇地点もある。本通商店街(同)周辺でも再開発計画が控えており、「取引も活発になろうとしている。中長期では上昇トレンドにまた戻るだろう」(不動産鑑定士の村永朋氏)。

岡山県は0.4%下落と5年ぶりにマイナスになった。最高路線価の地点は岡山市北区にある「本町市役所筋(東側)」。2014年から7年連続で上昇してきたが、今年は横ばいとなった。上昇が続いていた他の主要地点でも、横ばいで推移する動きが目立った。

不動産鑑定士の藤原康正氏は「コロナ禍で飲食業などの需要が落ち込んだ影響が出た」とみている。先行きについては「飲食店の閉店や働き方の変化で街が元の姿に戻らないが、岡山市中心地は再開発の動きもある。人流が戻れば路線価はプラスの動きに向かう」との見通しを示した。

山口県は0.1%の下落で、2年ぶりにマイナスに転じた。新下関駅(下関市)周辺の住宅地では上昇地点も多いが、同市にある最高路線価の地点「竹崎町4丁目下関駅東口駅前広場」は4.8%下落と大幅に下がった。不動産鑑定士の稲田豊氏は「周辺の商業地は観光客や関釜フェリーの乗客など交流人口への依存度が高く、コロナの影響で収益性が大きく低下した」と指摘する。

■山陰で下落幅拡大

山陰地方では下落幅の拡大が目立つ。鳥取県は1.3%下落、島根県は1.0%下落となり、いずれも前年より落ち込み幅が広がった。コロナ影響による景気の悪化に加え、人口減少などに伴う土地の需要減が響いた。

鳥取で最高路線価となった地点は鳥取市の「栄町若桜街道通り」で、前年と比べて横ばいとなった。鳥取駅前の商店街で従来から空き店舗も多く、コロナ禍では飲食店を中心に最も影響を受けている地区だ。

鳥取県不動産鑑定士協会によると、「数字の処理の関係で横ばいとなったが実質的には下落している。最近は取引もほとんどない」という。条件の悪い地域や過疎化が進む集落では下落傾向が続きそうで、「商業地もコロナの状況次第で下落が長引く可能性がある」(同協会)。

島根の最高路線価の地点は松江市の「朝日町駅通り」。ホテルの新設などを背景に昨年は28年ぶりに上昇したが、需要の減退で今年は横ばいとなった。一方、同市内では住宅地に適した土地の売り物件が少ないこともあり、利便性の高い区域の需要は底堅いもようだ。

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