松本パルコ、25年2月閉店へ 跡地利用は未定

パルコは27日、長野県松本市の商業施設「松本パルコ」を2025年2月末で閉店すると発表した。商業都市である松本市の象徴的な施設として市内外から来店客を集めてきたが、近隣への競合施設の進出やネット通販などとの競合もあって売り上げが低迷していた。閉店後の跡地の利活用方法などは未定としている。
松本パルコはJR松本駅から徒歩5分の中心市街地に1984年に開業した。地下1階地上6階建てで、店舗面積は約2万2000平方メートル。最先端のファッションブランドや雑貨店、飲食店など72のテナントが入っている。
全国のパルコと同じく若者などを中心に集客してきたが、郊外型商業施設の増加に加えてネット通販も台頭。2017年には1キロメートル程度しか離れていない市街地に「イオンモール松本」が開業して競合が激化した。新型コロナウイルス禍もあって、イオンモール開店前にほぼ70億円台だった年間のテナント取扱高は21年度には40億円弱まで減少していた。
松本市の臥雲義尚市長は松本市役所で記者団の取材に応じ「商業や物販の枠を超えたシンボリックな存在であり、松本におけるパルコは極めて大きな存在だった」と強調。そのうえで「(閉店を)まちづくりの転機であり、前に進むチャンスと受け止めたい」と述べた。