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夢の糖「希少糖」、香川で産業集積 高松帝酸が製造装置

夢の糖「希少糖」を生産する産業の集積が、香川県内で進んでいる。各種高圧ガスの製造・販売を手掛ける高松帝酸(高松市)は、用途研究中の希少糖を量産できる大型装置を開発した。県内で製造に関わっている企業としては4例目となる。地元企業の有する技術が、地域資源の普及を後押ししている。

高松帝酸が開発したのは水素添加反応と呼ばれる反応を起こすことができる装置。圧力を高めた状況下で水素ガスを加え、化合物に水素原子を付加する。希少糖の一種、Dープシコースを水素添加反応させると、別の希少糖、Dータリトールとアリトールに変換される。

香川大学には水素添加反応をさせる装置はあるものの容量が小さく、圧力も弱いことから量産することができなかった。高松帝酸が新たに開発した装置は容量が20リットル。高い圧力をかけて反応を起こすことができるため、20倍の速度で生産できるようになるという。

今後は高松帝酸にある大型装置で水素添加反応させ、発生した試料を香川大に納品する。同大への供給が、8月27日から事業としてスタートした。

Dータリトールとアリトールは研究段階にあり、どのように活用できるかは現時点で分からない。量の確保にめどがついたことから用途研究が加速する可能性がある。香川大学農学部の秋光和也副学部長は「数十キロという単位で供給されるようになれば、食品や医薬、工業製品の材料など、どのように応用できるのか実験することができるようになる」と話す。

香川県は2022年度までの香川県産業成長戦略の中で「かがわ希少糖ホワイトバレー」プロジェクトと名付け、研究開発の促進や生産企業の誘致を進めてきた。関連産業を県内に集積させることで、人口が減少し縮小する地域経済のエンジンにしようと取り組んでいる。

高松帝酸は勉強会に参加した際、高圧の水素ガスを安全に取り扱う技術で協力できると考え、2016年から装置の開発を始めた。水素は燃えやすく、分子が小さいことから扱える業者は限られる。太田貴也専務取締役は「地域発の研究に、地元企業として何か貢献できるのではないか」と考えたという。

香川県内で製造に携わる企業としては希少糖生産技術研究所(香川県三木町)、松谷化学工業(兵庫県伊丹市)、伏見製薬所(香川県丸亀市)に続く。各企業の技術が、研究、関連商品生産の両面に生かされている。(桜木浩己)

希少糖とは
ブドウ糖や果糖と同じ単糖で、自然界にわずかしか存在しない。1991年に香川大学の何森健教授(当時)が、果糖から希少糖に変換させる酵素を発見した。香川県の産学官が連携して食品、医療分野への応用に取り組む。
D―プシコースはゼロカロリーで砂糖に遜色ない甘みを持つことから「夢の糖」とも呼ばれる。食後の血糖値上昇を緩やかにするだけでなく、内臓脂肪の蓄積を抑え、動脈硬化になりにくくするといった効果も期待されている。

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