秋田銀行と岩手銀行が包括提携 将来の統合「否定せず」

秋田銀行と岩手銀行は27日、包括業務提携を締結することで合意したと正式発表した。行員の育成につながる人材交流や顧客企業のコンサルティング業務で連携し、広域で顧客囲い込みを目指す。システムや事務の共同化にも取り組む。両行トップは将来の経営統合についても否定しなかった。
包括提携の名称は「秋田・岩手アライアンス」とする。同日午前に記者会見した秋田銀の新谷明弘頭取は「これまで培ってきた信頼関係をもとに、スピードを持って連携の成果を出せるようにする」と強調した。新しい事業分野や地域課題の解決につながる取り組みでも協業する。具体的な内容は両行でプロジェクト組織を立ち上げて詰める。
包括提携は経営の独立性を維持することが前提だが、将来の経営統合について岩手銀行の田口幸雄頭取は「一般的に合併統合の選択肢もあり得る時代になってきている」と述べた。秋田銀の新谷頭取も「将来的に統合自体を否定するものではない」としたうえで「今の選択肢としてはこれ(包括業務提携)が最も有効な方法ではないか」との見方を示した。
秋田銀と岩手銀は2000年、青森銀行も含めてATMを相互開放する提携「AAIネット」を始めたほか、商談会の共同開催などにも取り組んで連携を深めてきた。青森銀が同じ青森県内のみちのく銀行と2022年4月に経営統合し、24年の合併を目指すことになった。秋田銀・岩手銀はこれまでの協力関係を深める包括提携で生き残りを目指す。
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