/

成田空港、2期連続の最終赤字 23年度黒字化目指す

成田国際空港会社(NAA)は27日、2022年3月期の連結最終損益が524億円の赤字だったと発表した。新型コロナウイルスによる世界的な航空需要の冷え込みで、04年の民営化後初の赤字となった前の期に続き、2期連続となった。赤字額は前の期の714億円より縮小した。23年3月期も赤字を見込むが、24年3月期の黒字化を目指す。

営業損益も495億円の赤字だった。売上高に当たる営業収益は前の期比16%増の829億円と、3期ぶりの増収となった。旅客数が約2倍の647万人と、1978年の開港以来で最低だった20年度から底打ち。国際航空貨物量も25%増の261万トンと伸びた。

この結果、空港使用料収入は6%増、旅客施設使用料収入が93%増で、これら空港運営事業の営業収益が19%増の413億円だった。施設内の物販・飲食などリテール事業の営業収益は8%増の90億円にとどまった。

政府は水際対策を緩和し、入国者数の上限を4月に1日1万人、6月からは2万人に引き上げ、6月10日からは海外からの観光客の受け入れも再開する方針。NAAが27日発表した4月の旅客数は96万6363人と前年同月の2.7倍で、このうち国際線は4.3倍の48万8767人だった。

コロナ拡大前の19年比では旅客数全体では73%減、国際線は84%減と水準はなお低く、5月1~21日の速報値で見ても、国際線による出国旅客数は19年同期比で90%減だが、人影がまばらだった一時期に比べて空港内には利用客の姿が戻りつつある。

記者会見した田村明比古社長は、2期連続の赤字について「大変残念だが、空港の安全と安定運用を大前提にコスト削減にも努めており、損益は着実に改善している」と述べた。

23年3月期は国内外の渡航制限の緩和による国際線の復調や、格安航空会社(LCC)を中心とした国内線の回復から、営業収益は55%増の1285億円と2期連続の増収を見込む。ただ、「22年度は我慢の状況」(田村社長)として最終損益は3期連続の赤字(330億円)を予想する。

営業費用は1557億円と18%増やす。「機能強化事業や中長期的な成長投資は不可欠」(同)とし、第3滑走路の新設や既存滑走路の延長といった増強計画は引き続き推進していく。24年3月期の黒字化を目指し、「航空需要の回復にサービス供給が不足しないように的確に対応したい」(同)。

24年度に総旅客3900万人に、中期経営計画を策定

成田国際空港会社は2022~24年度を対象とするグループ中期経営計画も発表した。21年度までの中計で新型コロナウイルスの影響により国際航空貨物量以外は目標を達成できなかったことを踏まえ、航空需要の回復に対応しつつ、厳しい経営環境に耐えうる競争力の強化に中長期で取り組む。

航空機発着回数は24年度に27万回と、コロナ拡大前の19年度の25.8万回を上回り、総旅客数は3900万人と19年度の4148万人に近づけるという「高い目標を掲げた」(田村明比古社長)。24年度までに達成する3つの基盤強化テーマ、中長期的な9つの創造・変革テーマを示し、「成田ならではの価値創造に取り組む」(田村社長)。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

新型コロナ

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。

ワクチン・治療薬 国内 海外 感染状況 論文・調査 Nikkei Asia

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

業界:

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン