福井のブランド豚「ふくいポーク」、4年ぶり出荷へ
福井県のブランド豚「ふくいポーク」が8月、4年ぶりに出荷を再開する。福井県が26日、発表した。福井県の養豚農家2軒が生産していたが、2019年夏の豚熱流行の影響で1軒が全頭殺処分となって廃業、もう1軒も休業し、生産できなくなっていた。福井県畜産試験場(坂井市)で種を保存し、県が養豚場建設に補助金を用意するなどして生産農家を探していた。

養豚農家「睦美ファーム」(越前市)で1月、「ふくいポーク」となる子豚が誕生した。睦美ファームではふくいポークを生産していなかったが、消費者から県産豚肉を食べたいとの声を受け「地産地消につながるなら」と養豚場を新たに建設するなどして準備をしてきた。
23年度は2000頭、24年度は2500頭の出荷を見込む。豚熱流行直前の18年度と同様の水準だ。ピークの08年は3400頭の出荷があったといい、福井県は新規就農者の募集などに取り組み、早期に4000頭まで出荷数を引き上げたいとしている。
ふくいポークは「ランドレース種」に「大ヨークシャー種」「デュロック種」をかけあわせた三元豚といわれる品種。今回新たに餌への乳酸菌添加を条件に加える。豚の免疫力が高まり、臭みが少なくなるという。従来は生産者団体で認証していたが、JAや県なども参加する「ふくいポーク流通推進協議会」を新たに結成し、認証団体とする。
福井県の杉本達治知事は26日の定例会見で「(24年春の)北陸新幹線開業に向け、若狭牛、福地鶏にふくいポークを加え、福井の食をさらに発信できるようにしたい」とブランド畜産品の育成に意欲を見せた。