静岡知事、リニア工事建設残土も「認められず」
静岡県の川勝平太知事は26日の記者会見で、リニア中央新幹線の静岡工区未着工問題を巡り、トンネル工事で生じる残土について「(7月に土石流が起きた)熱海市の67倍にあたる370万立方メートルの盛り土は条例でほとんど認められることはないだろう」と述べた。県は熱海市の被害を受け、盛り土をする際に必要な手続きを定めた条例を改正し規制を強める検討を進めている。
川勝知事はJR東海が計画する県内での着工も、住民の理解が得られていないことを前提に改めて難色を示した。
リニア工事への懸念を示す材料として、約100年前の東海道線丹那トンネル(熱海ー函南間)工事による渇水被害の文献調査の結果も発表した。報告書は断層線に沿って60カ所以上で湧水が枯渇し、地表から約130メートルの深さのトンネル付近まで地下水位が低下したと指摘。リニア工事で突発湧水が起きた場合、想定外の湧水が県外に流出する可能性があり、生態系への影響は計り知れないと強調した。

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