脱炭素先行地域、東北は秋田・宮城の3計画選定 環境省

政府目標の2050年に先駆けて30年度までの脱炭素化に取り組む「先行地域」で、環境省は26日、第1弾26件のうち、東北では宮城県東松島市、秋田県・秋田市、同県大潟村の事業計画を選んだ。
秋田県と秋田市が共同提案したのは、県流域下水道を核に地域のマイクログリッド(小規模電力網)を構築する事業計画だ。市臨海部にある県の下水道処理施設と市の汚泥再生処理施設に風力、太陽光など再生エネルギー発電設備を26年から導入する予定だ。
事業費は約47億6000万円を見込み、国が3分の2から4分の3を補助する。県と市の9つの公共施設で消費する全電力をこのエリアで発電する再生エネなどで賄う。
佐竹敬久知事は同日の定例記者会見で、「人口減少が続くなか、県と市が共同で下水道事業を持続させる先進的な取り組みが評価されたと思う」と述べた。
大潟村は公共施設や村営住宅、村有地などに太陽光パネルを設置し、村内の家庭などで消費する電力の6割を賄う計画。併せて、カントリーエレベーターにもみ殻を燃料とするボイラーで熱を供給する。
東日本大震災で津波被害を受けた宮城県東松島市は、地元の太陽光発電事業によって得られた資金を使った植樹の取り組みを進めている。
先行地域では太陽光や風力などの再生エネと省エネ対策を組み合わせ、家庭やビルなどの電力消費に伴う二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロを目指す。国は交付金を通じて、各地域の特性に合った脱炭素の取り組みを後押しする。

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