東京都23年度予算、初の8兆円台 子育て支援に重点 - 日本経済新聞
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東京都23年度予算、初の8兆円台 子育て支援に重点

(更新)

東京都は27日、一般会計総額8兆410億円の2023年度予算案を発表した。22年度当初比で3.1%増額し初めて8兆円を超えた。18歳以下への月額5000円給付、卵子凍結への助成など少子化対策に重点配分した。子育て支援を含む社会保障費は23年度以降も増加が見込まれ、安定的な財源確保が課題となる。

子ども関連予算は1兆6488億円と22年度当初に比べて14.6%増やした。都内の0〜18歳への給付は23年度の1年分(6万円)をまとめて24年1月に支給する。0〜2歳の第2子は保育料を10月以降無償化する。いずれも所得制限は設けない。

妊娠を望む女性に対する卵子凍結などの助成、凍結卵子を活用した不妊治療費への助成も新たに始める。年収910万円未満の世帯には私立中学校の授業料を助成する。結婚から妊娠、出産、教育とライフステージの各段階で少子化対策を拡充した。

都内の出生数は21年まで6年連続で前年を下回り、22年も減少したもようだ。小池百合子知事は27日の記者会見で、少子化対策について「本来は国が戦略的に取り組むべき課題だ」と指摘。「もはや一刻の猶予もないという危機意識を持ち、国に先駆ける総合的な対策を打ち出す」と述べた。

防災など都市機能の強靱(きょうじん)化に向けた予算も7397億円と22年度当初比で16.1%増額した。関東大震災から100年の節目となる23年度からの10年間で総額6兆円を投じ、防潮堤のかさ上げや調節池の整備を進める。被災時の物資輸送を想定した道路も整備する。

都税収入は6兆2010億円と22年度当初比で10.1%増える見通しだ。企業業績の回復で法人関連の税収が伸びる。新型コロナウイルス関連の予算縮小や既存事業の見直しと合わせ、子育て支援など新たな歳出の財源をまかなう。都債の起債額はおよそ2900億円とほぼ横ばいを見込む。

23年度の新規事業のうち、18歳未満への5000円給付だけで年間約1200億円の固定費増につながる。東京都の積極策を支えるのは都道府県では突出した財政基盤の厚さだが、都税収入の3割を占める法人事業税と法人住民税は景気の変動を受けやすい。

高齢者福祉を含む社会保障費、インフラの老朽化対策といった財政需要は今後も増加傾向が続く。既存事業の見直しや新たな税収源の発掘など、東京の課題解決を支える安定財源をどう確保するかが課題となる。

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