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南東北グループの新病院、コロナ病床6倍の200目指す 

医療機関を全国展開する南東北グループ(福島県郡山市)は郡山市内に新設移転する予定の総合南東北病院について、新型コロナウイルス患者の受け入れ能力を現在の最大6倍となる100~200床に増やすことを目指す。福島県などと調整のうえ2024年4月に開院したい考えだ。

総合南東北病院はグループの基幹病院で病床数は461。建設後約40年たち老朽化が目立つため、約1㌔離れた福島県の農業試験場の跡地に移転する計画を進めている。

当初は現在の敷地内で建て替える計画だったがコロナ禍の拡大で移転のうえ新病院を建設する方針に転換した。既存病院の稼働を維持したまま新病院を建設できるうえ設計の自由度が大きく増すためだ。

現在のコロナ病床数は32。これまでのコロナ患者の受け入れ数は8月下旬時点で延べ540人と福島県内の医療機関で最も多い。

コロナ患者は一般の患者とは病室や動線を完全に分ける必要がある。ウイルスの拡散を防ぐ特殊な空調設備も必要で、建物の構造が増床の制約になる面があった。

さらに「患者さんが急に増えたりほとんどいなくなったりするなど変動が極端に大きいことが受け入れ体制整備のネックになることがわかった」(病院幹部)。コロナ専用の病床や設備を増やしても患者が急減した場合、病院の収益の悪化が避けられないためだ。

そこで新病院は建物の設計段階から感染症に対応しやすい構造にする。病室をこれまでの大部屋中心から個室中心にするほか患者の動線を分けやすい構造にする。感染症の患者の増減に応じて病院内のエリア分けを機動的に変更できるようにする方針だ。

移転先として想定しているのはJR郡山富田駅南にある約6㌶の県有地。コロナ病床の増加分はできるだけ従来の病床を減らして振り替えるのではなく、上乗せとして設置したい考えだ。

県との調整や設計上の制約など不確定な要素は残るが、感染症の拡大は将来も起こりうると判断し目標実現を目指す。

予定地の近くには県が開設した「ふくしま医療機器開発支援センター」や奥羽大学の歯学部、薬学部が立地するなど医療関係の施設が多い。

郡山市は一帯の約30㌶を医療機関や医療関連企業が集積する「メディカルヒルズ」にする構想を進めている。新病院の建設が実現すれば構想が大きく前進するため市は全面的に支援する姿勢だ。

郡山市には民間の大病院が多くある。これまで大病院の増床につながる動きには地元医師会は経営が圧迫されるとして反発することも多かった。

しかし今回、地元医師会は新病院の計画を積極的に支援する姿勢だ。「感染症が広がった場合、地域全体で医療の崩壊を防ぐ必要がある」(郡山医師会)と考えたためだ。

新病院は田村や石川地域を含めた郡山市一帯からの患者の受け入れ機能を強化する。ヘリポートを設け遠隔地からの患者の受け入れを可能にすることも目指す。

(郡山支局長 村田和彦)

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