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北陸先端大の学生ビジコン、起業や人材呼び込み寄与

北陸先端科学技術大学院大学(JAIST、石川県能美市)が主催する全国の学生向けビジネスアイデア・プランのコンテスト「M-BIP」が5年を迎えた。気軽に参加できるアイデア重視のビジコンで、専門家が提案内容をブラッシュアップするなど学生の人材育成を重視する。起業したケースが出始めたほか、北陸以外の大学からJAISTに進学するなど人材の呼び込みにも寄与する。

金沢大学でマーケティングを学ぶ学生らが2022年、オリジナル紅茶の開発・販売会社、LFOR(金沢市)を立ち上げた。国産の生薬と国産の紅茶をブレンドした「百草紅茶」を商品化した。病気の前段階である「未病」の女性の健康づくりにつなげることを目指す。

代表の高野里紗さんは「女性は紅茶を手に取りやすい。ポットから入れて飲むことも心のゆとりになると考えた」と説明する。学生たちはビジネスアイデアを21年度のM-BIPで披露した。入賞がクラウドファンディング(CF)につながり、商品化が実現した。石川県の生薬農家とも連携し、地域活性化にも一役買う。

JAISTは毎年秋、金沢市で産学官交流イベント「マッチングハブ」を開く。関連行事として17年度に始めたのがM-BIPだ。応募は1年目の5校17件から徐々に増加。21年度は22校、64件といずれも過去最多になった。

学生の提案を実現させようと、北陸の中小企業診断士や若手起業家らが知恵を絞って助言する。学生にとっては社会人の知り合いが増える利点もある。M-BIPがきっかけとなり北陸で起業したのはLFORが初めてという。

第一工科大学(鹿児島県霧島市)の助手、麻生大雅さんは常連の1人。19年度、同大学の4年の時、空き家活用のテーマで参加した。これがきっかけで20年度にJAISTに進学した。大学院生の立場でもM-BIPに他の大学と一緒に参加し、石川県白山市鶴来の当地ゲームを通じた地域活性化などのアイデアを披露した。

麻生さんは「1回目の参加で、他の学生らと交流する中、大学院進学という進路を考えるようになった」と振り返る。母校の助手になり、今後は学生を指導する立場で関わっていく。同様に北陸以外の大学から参加し、JAISTに進学した学生はほかにもいる。北陸の企業と接点ができ、インターンシップにつながったケースもある。

石川県立大学大学院1年の藤原昌敬さんは大学3年の時に仲間とM-BIPに参加。ヒートパイプの技術を使った手のひらの冷却装置のアイデアを披露した。入賞してCFの機会を得たものの、商品化には至らなかった。藤原さんは「CFをはじめ、さまざまな経験ができたのはよかった」と前向きだ。

M-BIPについてJAISTの担当者は「起業をそれほど考えていない学生でも参加できるのが売り」と話す。新型コロナウイルス禍で大学間の交流が抑制される中、学生の経験値を上げるこのビジコンの存在感が高まっている。

(石黒和宏)

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