成田空港、22年の旅客数2.9倍の1542万人 国際線は4.8倍

成田国際空港会社(NAA)が26日発表した2022年の旅客数は1541万5924人と21年に比べて2.9倍、1000万人強増加した。新型コロナウイルス禍前で開港した1978年以降で最も多かった19年比では35%の水準にとどまるが、水際対策の大幅緩和で秋以降に国際線の旅客数が急増しており、復調に弾みが付いた。
旅客数のうち国際線は903万4305人で、21年比4.8倍と全体の伸びを上回り急回復した。外国人は5.1倍の341万7259人だった。21年は日本の厳格な水際対策により国際的な往来が停滞した影響で20年比で74%減、19年比では95%減と激減した。
国際線旅客数を12月単月で見ると21年12月比5.8倍の158万2330人で、このうち外国人は13.7倍に達した。1月に入っても21日までの速報値で出国旅客数が前年同期比9.7倍と伸び、22年10月のインバウンド(訪日外国人)の本格解禁を受けて台湾、香港、韓国などアジアを中心に外国人旅客の回復の勢いが増している。
22年の旅客数のうち国内線は21年比1.9倍の638万1619人だった。3年ぶりに夏休み期間などに行動制限がなく、19年比でも83%とコロナ禍前の水準に近づいた。航空機発着回数は全体では16万5264回で21年比27%増、19年比で63%まで戻った。
22年の国際線貨物量は235万6119トンだった。過去最高だった21年比では9%減だが、それに次ぐ過去2番目の水準だった。
NAAの田村明比古社長は26日の記者会見で、「23年は年間を通じて旅客数回復の歩みを着実に続けていく年にしたい」と述べた。
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