広島駅北口にフットサル場 JR西日本、J1広島と

JR西日本は26日、JR広島駅の北口にあるJR西日本旧広島支社の跡地について、フットサルなどのコートと芝生広場として暫定的に再開発すると発表した。2022年秋の開業を見込む。サッカーJリーグ1部、サンフレッチェ広島(広島市)がコートの運営を担い、「スポーツの街」の玄関口にふさわしい内容にする考えだ。
広島支社は20年11月末に駅の西側に移転済み。駅北口(新幹線口)に近い旧広島支社の敷地は1万8000平方メートルあり、6棟の建物が建っていた。このうち2棟は当面継続利用する予定のため、残り4棟を22年3月までに解体し、一部を暫定利用する。
暫定的に再開発するのは敷地の南側にある約6000平方メートルで、イベントなどを行う芝生広場(520平方メートル)と、主にフットサルと3人制バスケットボール「3x3」を想定した2面の多目的コート(合計960平方メートル)を設ける。照明設備も整え、夜間でも使えるようにするという。投資額は未定としている。
芝生広場では様々なイベントを開くほか、企業や地方自治体のイベント開催場所として提供する。
再開発はJR西日本系で商業ビルの運営などを手掛ける中国SC開発(広島市)が担うが、コートについてはサンフレッチェ広島に運営を任せる。サンフレッチェは一般からの予約を受け付けるだけでなく、チームのコーチ陣による子ども向けのサッカースクールなどを企画するという。
本拠地のエディオンスタジアム(広島市)で開いているイベントの知見を生かし、スポーツ以外も含めた様々な催しを考えたいという。

広島駅周辺は再開発が相次いでおり、駅北側の旧広島支社跡地は「最後の一等地」となっている。JR西日本は敷地内に残る2棟も将来的に解体し、再開発を視野に入れている。このため、今回の利用期間は「数年間」(蔵原潮・広島支社長)となる。
ただ今回の利用法を参考に、25年春の開業を予定している広島駅の新駅ビルの屋上広場の運営などを検討していくという。
26日に記者会見した蔵原支社長は「駅周辺ににぎわいをつくっていくために様々なチャレンジをしていきたい」と述べた。サンフレッチェ広島の仙田信吾社長は「サンフレッチェは来年、創立30周年を迎える。スポーツ王国でありサッカー王国である広島を象徴する風景になる」と期待を込めた。(長沼俊洋)
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