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石川の月星製作所、3つの新棟で工場内物流効率化 

自動車のブレーキなどの特殊精密部品を手がける月星製作所(石川県加賀市)は本社工場内に3つの新しい棟を整備した。生産や物流に関係する建物を再配置し、生産から出荷までの工場内物流の動線を3割短縮した。同社はコイル状の鋼材を常温で複雑な形に加工する「冷間圧造」が強みで、受注が堅調なことから2022年夏にも生産能力を高める考えだ。

冷間圧造の設備を備えた生産棟、その後の工程にあたる洗浄棟、製品を梱包して保管する物流棟を建設した。3棟はそれぞれが近接し、合計の延べ床面積は約8300平方メートル。各棟をつなぐアーケードを設置し、工場内の物流が雪などの天候の影響を受けないようにした。投資額は約22億円。

新しい棟の整備は新型コロナウイルス禍の前から計画していた。既存の生産棟などの建物が老朽化する一方、生産棟から離れた場所に洗浄の建物があるなど工場内の物流面で課題があったからだ。同社は「新しい棟ができたことで動線が短くなり、物流時間を約30%短縮できる」としている。

新しい生産棟は将来の増産に備え、スペースに余裕を持たせた。受注が堅調なことから設備を増やし、生産能力を1〜2割程度高める計画だ。同社の強みである冷間圧造は金型を工夫すれば複雑な形状に対応できる。材料を有効活用できるなどの特長があるという。

物流棟の2階には食堂のほか、社員が打ち合わせなどに利用できるフリースペースをつくった。同社は「仕事ができる場所を増やす。オフィス改革を通じて、少しでも働きやすい職場になれば」としている。

同社は1947年設立。自動車などのスポークの生産から始め、現在は自動車やバイクの特殊精密部品を手がける。冷間圧造をコア技術とし、切削、研削などを一貫してできるのが特徴で、デンソーなどを主要な顧客に持つ。22年3月期の売上高は約121億円。新型コロナ禍で落ち込んだ前の期より15%増えた。23年3月期も増収を見込んでいる。

近年、顧客からSDGs(持続可能な開発目標)の取り組み強化が求められている。新しい工場棟が稼働すれば物流の無駄を省く点で、環境保護や人の働きやすさにも寄与する。今後、再生可能エネルギーの取り組みとして、建物の屋根に太陽光パネルを設置することも計画している。

(石黒和宏)

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