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ものづくり好きな子ども育む PFUの久保田旭さん

拓き人 石川から

石川県内の自治体と連携し、子ども向けのプログラミング教室を支える人がいる。IT(情報技術)関連サービスのPFU(石川県かほく市)で地域貢献を担当する久保田旭(58)だ。35年以上のソフトウエア開発の経験を生かし「ものづくりの楽しさを伝えることが使命」と考える。

1988年の入社以来、ソフト開発一筋だった。ワープロソフトなど業務アプリケーションを中心に手掛けてきた。学生時代のアルバイトで4年間、プログラマーをしており「新人なのに開発経験が多い『不思議くん』だった」と振り返る。2年目から社員教育の講師となるなど若手技術者の育成に取り組んだ。

転機となったのが2015年。非営利団体を設立し、個人の活動として子ども向けプログラミング教育を始めた。子どもたちの喜ぶ姿がうれしかった。評判がよかったこともあり、16年に企業の社会的責任(CSR)担当になり、教室の企画などが会社での業務となった。

教材に使うのが手のひらサイズのコンピューター「IchigoJam(イチゴジャム)」。キーボードとモニターを接続すればパソコンになる。学校向けの冊子や簡単なプログラムで点滅する発光ダイオード(LED)の教材をつくった。

「イチゴジャムは機械に入っているコンピューターの仲間。LEDを連続して点滅してもらい、夜間の信号の連続点滅と同じだという説明をすると、コンピューターやものづくりを身近に感じてもらえる」という。小学校でのプログラミング教育の必修化を受け、かほく市などと連携した教室が増えていった。

「クラスで隠れているようなおとなしい子どもたちがプログラムをうまくつくって、ヒーローやヒロインになることがある。そんな声が小学校の先生から寄せられると、やりがいを感じる」という。

金沢市が21年に設けた新ビジネス拠点「金沢未来のまち創造館」。IT関連企業でつくる石川県情報システム工業会が中心となり、中高生向けに「IT部活」を始めた。1年目の部員は15人。月10回程度開催し、久保田はその講師の中心となり、部員たちのプログラム作りを支援する。

子どもたちはプログラムで行き詰っても聞く相手がおらず、途中であきらめてしまうケースが多い。そんな疑問を部活の場でぶつけてくるという。「プロ顔負けもいる。ちょっとヒントを出すだけで、次のステップに挑んでいる」と目を細める。

部員が10年後、県内のものづくり人材になればと期待する。ものづくり好きな子どもたちに頼られる先輩を目指している。=敬称略

(石黒和宏)

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