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東京の路線価、2年ぶり上昇 コロナの影響緩和

東京国税局が1日発表した東京都内の2022年1月1日時点の路線価は、平均で前年比1.1%上昇した。新型コロナウイルス禍の影響で8年ぶりに下落した前年から反転し、人出の回復や消費の活発化により多くの地点で上昇した。一方でオフィス需要やインバウンド消費は低迷しており、ビジネス街や商業地では下落が続いた地域も目立つ。

都内48の税務署管内ごとの最高路線価は30地点で上昇した。上昇地点が3地点だった前年に比べ大幅に増加した。下落したのは12地点で前年の37地点に比べ減少したものの、下落がゼロだった20年と比較するとコロナ禍からの回復が道半ばの実態も浮かぶ。横ばいは6地点(前年7地点)だった。

最高路線価の上昇率は、北千住駅西口駅前広場通りが5.0%で最も高く、中野駅北口駅前広場前が4.9%、目黒の自由が丘駅前広場通りが3.7%で続いた。訪日客がコロナでいなくなった影響をあまり受けず、地域内での消費が活発化したり再開発が進んだりしたことなどが要因で上昇したとみられる。

リクルートが運営する住宅情報ウェブサイト「SUUMO(スーモ)」の池本洋一編集長は「近場での買い物など、もともとその地域の需要に支えられている場所は安定的に伸びている。大学が多くある北千住では、オンラインで授業を受けていた学生が通学を再開したこともあり、活性化し始めた」と話す。

東京を代表する観光地の浅草は、前年は11.9%の下落だったが、1.1%の上昇に転じた。国内観光客が回復傾向にあることが影響した。

最高路線価の上位3地点は、銀座中央通りが4224万円(前年比1.1%減)、新宿通りが2952万円(同0.5%減)、渋谷・宇田川町の渋谷駅側通りが2872万円(前年と変動なし)だった。

下落率の上位には上野や池袋など都心部の商業地が並んだ。下落幅は多くの地点で前年より縮小したが、インバウンド消費がなくなった影響が長引いている。オフィスの賃料が下落傾向にある丸の内や八重洲のビジネス街でも下落した地点が目立った。

オフィスビル仲介大手の三鬼商事(東京・中央)によると、5月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の空室率は6.37%。供給過剰の目安となる5%を上回る状態が1年以上にわたり続いている。

オフィス需要に詳しい不動産関係者は「テレワークの普及などで働き方が様変わりし、需要がしぼんできている。オフィス契約を途中解約できない企業もあるため、今後も需要縮小の流れは続き、路線価の下落も長引く可能性がある」と指摘する。

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