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湘南アイパーク、オープンイノベの協業で創薬推進 

点照

神奈川県藤沢市に日本最大級のサイエンスパーク、湘南ヘルスイノベーションパークがある。通称・湘南アイパークには地上10階建ての建物が5棟並び、床面積は東京ドーム6個半分の約30万平方メートル、116の実験エリアを持つ。

武田薬品工業が研究所として2011年、約1500億円をかけて設立。18年4月、企業や研究機関などに開放して生まれ変わった。現在、企業など91社が入居。約2200人が勤務し、910件以上の協業が成立している。

狙いは組織の枠を超えた研究環境づくり。様々なプレーヤーが1カ所に集まってエコシステム(生態系)を形成することでヘルスケア分野でのイノベーションの創出を加速させる場所として期待されている。

アイパークの藤本利夫ジェネラルマネジャーによると、欧米の製薬業界では産官学の多様な組織が集う地区に最先端の研究や技術を集めて創薬する「オープンイノベーション」が主流という。創薬技術の高度化により、アカデミアやスタートアップなどのシーズ(新規事業の種)に起源を持つ医薬品が増えている。アカデミアやスタートアップなどの迅速な研究開発と製薬企業の流通のノウハウをいかした協業が進んでいるためだ。

だが、日本ではオープンイノベーションの拠点が少なく、アカデミアやスタートアップから製薬企業への橋渡しのチカラも弱いため社会実装が遅れているという。

アイパークではライバル同士も協力している。田辺三菱製薬はアイパークを研究拠点として利用、武田薬品との間で化合物に関する社内評価データの一部も共有している。評価データは製薬企業にとって「財産」で社内のみで活用されていたが、オープンイノベーションでは財産を共有する動きも活発になっている。

藤本氏は「日本では内輪で物事を進めることが多い。定まった目標に対しては強みを発揮するが、新しいものはなかなか生まれにくい。アイパークは海外企業も積極的に誘致し多様性を確保してイノベーションを生み出していく」と強調する。

特に知識技術集約型の創薬分野では、迅速な価値創出には産官学の協力がより重要になる。求められているのはスピードで、各社の自前主義では間に合わない。世界と競争するためには人材、技術、資本の集積と協業のオープンイノベーションが欠かせない。

(横浜支局長 仲村宗則)

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