北越メタル社長が会見「トピーと協力し企業価値向上」

新潟県地盤の電炉、北越メタルの棚橋章社長が24日、新潟県長岡市の本社で記者会見した。筆頭株主のトピー工業が提案した3人の取締役選任案が可決された21日の株主総会の結果について「融和を図り、協力して企業価値をあげてほしいという明確なメッセージ。対立を乗り越え、協力する道筋をつけるのが私の役割」と述べた。
北越メタルとトピー工業は経営体制を巡って対立。トピーが「協力体制を軽視している」として大洞勝義氏ら3人の取締役選任などを株主提案する一方、北越メタルは「現体制が企業価値の向上につながる」と反発。委任状争奪戦(プロキシー・ファイト)に発展していた。
この日の会見にはトピー工業の提案で選任された取締役3人のうち、副社長に就いた大洞氏と竹内征規氏が出席。大洞氏は「トピー工業での経験・知見を生かし、北越メタルの企業価値向上に尽力したい」と抱負を述べた。北越メタルが総会で提案した5人の取締役候補は3人が否決され、退任している。
棚橋社長が記者会見するのは総会後初めて。経営体制を巡るトピー工業との対立について「多くの株主、取引先、従業員とご家族の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけした。経営の独立性を重視するあまり、行き過ぎた面があったことを反省している」と陳謝する場面もあった。
総会を経て社外取締役は2人(総会前は3人)に減った。大洞副社長は追加取締役の選任時期について、23年の定時株主総会になるとの見通しを示した。