JR東日本と山形県、新幹線トンネルで覚書 沿線活性化も
JR東日本と山形県は24日、福島県境部で計画している山形新幹線の新トンネルについて、早期建設に向けて連携する覚書を結んだ。山形県内の鉄道沿線の活性化に関する包括連携協定も締結。両者の強い連携をアピールし、県内経済と鉄道事業を共に盛り上げていく姿勢を鮮明にした。

山形新幹線のJR福島駅(福島市)―米沢駅(山形県米沢市)間は山岳区間で、大雪などで運休・遅れが発生しやすい。JR東は同区間の約23キロメートルで米沢トンネル(仮称)の建設計画を進めている。実現すれば、同区間を時速200キロメートル以上で走れるようになり、東京―山形間の所要時間を現在の最短2時間26分から約10分短縮できる。事業費は約1500億円、工期は着工から約15年を見込んでいる。
トンネル実現に向け、連携して調査・検討を進め、国に財政支援を求めていく。県は地質調査などの予算として2022~24年度に計3億円規模を投じる計画だ。両者は同時に、ワーケーション推進やサクランボなどの県産品の列車輸送、駅を中心とした街づくりなどで沿線活性化を図る。
締結式に臨んだ吉村美栄子知事は「米沢トンネルは山形県の未来を開く希望のトンネル。建設実現が県の発展に直結する」と意義を強調した。