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製粉の笠原産業 栃木の小麦の菓子や麺 普及に奔走

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製粉会社の笠原産業(栃木県足利市)は、栃木産にこだわった小麦粉を作り続けている。農家やメーカー、消費者との交流組織「麦わらぼうしの会」は、2022年で20周年を迎えた。22年には同社の小麦粉が初めてコンビニエンスストアの麺類に採用されるなど、県産小麦の普及の立役者として奮闘中だ。

栃木は江戸時代から小麦の産地で、パン用品種「ゆめかおり」をはじめとして様々な品種が栽培されている。笠原産業は1919年の創業から地元産小麦の製粉に携わり、現在は原料ベースで年間2万3000トンほどを製粉。そのうち約46%に栃木を中心とした国産の小麦を使っている。伊藤智博社長は「当社ほど国産比率の高い製粉会社は全国的にも珍しい」と話す。

県産小麦のおいしさを知ってもらおうと、2002年に当時の笠原健一社長(現会長)が小麦農家らと設立したのが「麦わらぼうしの会」だ。「設立当時は国産の品種が今より少なく、地位も低かった」(笠原氏)が、地元の人への試食会などを通じて少しずつ知名度を上げていった。

活動が実り、今では不二家の菓子「カントリーマアム」の生地などにも同社の小麦粉が使われている。22年にはセブンイレブンの「香ばし野菜の味噌ラーメン」などの麺にも初めて採用。今後も同社の小麦粉を使った商品を共同開発していく方針だという。

行政も同社の取り組みに熱い視線を送る。「麦わらぼうしの会」設立20周年を記念して22年10月に帝国ホテルで開いた式典には、福田富一栃木県知事や早川尚秀足利市長、自民党の茂木敏充幹事長らが出席。式典で福田知事は「今までになく県を挙げて小麦の生産振興、消費拡大、商品開発に取り組みたい」と強調した。

日本は小麦の8割以上を輸入に頼っているのが現状だが、ロシアによるウクライナ侵攻などの国際情勢を受け、食料自給率の向上への機運は高まりつつある。農林水産省は11月、「食料安全保障の強化に向けた構造転換対策」として22年度の第2次補正予算案に計1642億円を計上すると発表した。

伊藤社長は「米やソバのように、地域の小麦が活躍する時代が来ることを期待したい」と語る。県産小麦の価値を伝えてきた笠原産業の取り組みに、今後一層の注目が集まりそうだ。(加藤敦志)

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