健康分科会が報告書を提出 原発「3つの検証」出そろう

新潟県が進める原発事故に関する「3つの検証」の一つ、健康と生活への影響に関する検証委員会健康分科会は24日、検証結果の報告書を花角英世知事に提出した。これにより、3つの検証の全報告書が出そろった。今後は、県技術委による安全性の確認と各検証結果を取りまとめる検証総括委員会を経て、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を巡る議論を始める。
鈴木宏座長は検証結果を総括し「(原発事故直後の)初期の動きが不十分だったことがずっと尾を引いている」と指摘した。報告書では提言として「住民を含むステークホルダーの原子力事故対応組織への参加」や「甲状腺健康モニタリングに関する技術者の育成」などを提示した。
花角知事は柏崎刈羽原発の再稼働について、かねてより「3つの検証が終了するまでは議論しない」との立場をとってきた。全報告書は出そろったが、「検証終了の区切り」と知事が位置付ける検証総括委員会の開催のメドは立っていない。同日、報告書を受け取った花角知事は「県がこれから原子力とどう向き合っていくかの議論に生かしていきたい」と述べるにとどめた。
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