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「首都直下」被害想定見直し エレベーター停止2万台

東京都が25日公表した首都直下地震の新たな被害想定では、死者が最大6148人と2012年の前回想定より被害が軽減される見通しだ。一方、人口流入や都心部でのマンションの増加などにより新たな課題が顕在化しており、時代変化や地域の実情にあったきめ細かい取り組みが重要となっている。

都内の被害が最も大きい「都心南部直下地震」の場合、荒川に近い23区東部の江東区や足立区、墨田区などの地域では区域の9割以上で震度6強以上の揺れとなり、台地が広がる西部の練馬区や多摩地域などに比べ被害が大きかった。これらのエリアは液状化のリスクや被害が拡大しやすい木造住宅も多く、冬の夕方に発生した場合、死者は足立区で800人弱、江戸川区では600人弱に上る。

一方、ビジネス街が広がる都心部は再開発による街の耐震化などが進み直接の被害は限定的となったものの、帰宅困難者の滞留が課題だ。千代田区では59万人、港区では53万人、新宿区では35万人と予想されている。

人口構成や環境の変化により、新たな課題も表面化した。都心部や臨海部を筆頭にしたタワーマンションなどの増加が代表例。都によると、20年までの10年間で6階以上の共同住宅の居住世帯数は103万世帯と33%増加。エレベーターが必要な高さ45メートルを超える高層建築物は3558棟へと43%増加した。

とじ込めにつながるエレベーターの停止台数は2万台。エレベーター被害の長期化や備蓄食料がつきるなどして震災発生後4日から1週間後に避難者数が299万人とピークとなり、その大半が避難所への避難者となる。余震や建物被害もあり、避難所の不足が課題になりかねない。

想定では、災害の長期化に伴うインフラ、生活などへの様々な影響も算定した。都内の高齢化率は21年で23%と20年間で約7ポイント上昇しており、消防団員の減少や地域コミュニティーの希薄化などによる「共助」の弱まりが懸念される。都市を災害から守るハードの取り組みと、ソフトの取り組みの双方に視点を当てた対策が重要となってきそうだ。

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