サクランボ新品種「やまがた紅王」プレデビュー
山形県が20年以上かけて開発したサクランボの新品種「やまがた紅王」の販売が23日、始まった。500円玉サイズと同等以上の大玉が特徴。外観はツヤがあり、酸味が少なく食味も良好だ。果肉がしっかりしていて日持ちも良い。今季の予想出荷量は約6トンにとどまるが、県は「プレデビュー」と位置づけて県内や首都圏、関西圏での知名度向上を目指す。

山形市内の小売店では100グラムパック(大きさにより6~12粒)2000~5000円ほどで並び始めた。6月下旬から収穫が本格化するため「6月中旬の佐藤錦から7月上旬の紅秀峰まで、高品質な山形県産サクランボを切らすことなく販売できる体制が整った」(県園芸大国推進課)。
紅王は1997年、県の園芸農業研究所で紅秀峰などを親に交配した。2018年から苗木を販売。現在、農家など約2400の経営体が約130ヘクタールで約2万6000本を育てている。県は250ヘクタール・5万本程度まで増やしたい考えだ。

3L(直径28ミリメートル)以上が標準で、4L(31ミリ)以上で色づきがいいものは「プレミアムやまがた紅王(仮称)」として販売する。ブランド力向上へ名称とロゴマークを国内外で商標登録し、専用のパック容器で販売する。「本格デビュー」の23年は20万~25万トンの出荷を目指し、台湾などへの輸出も狙う。