光や音量抑える「クワイエットアワー」埼玉で試験導入

埼玉県は、県が管理運営する娯楽施設や集客施設などで、通常よりも照明の明るさや音量などを抑える営業時間「クワイエットアワー」の導入に向けた検討を始めた。光や音が苦手な知覚過敏者に配慮し、誰でも施設が楽しめる環境を整える狙いがある。
県は6月中旬、県北部の羽生市にあるさいたま水族館で初めてクワイエットアワーを試行。知覚過敏の子どもや保護者、障害児通所支援施設の職員など約30人が館内を見学した。入り口の照明の明るさを通常よりも4割程度暗くしたほか、スポットライトの角度を変えたり、外したりしたりした。
館内放送やBGMも流さないか、音量を抑えることで、光や音に反応してしまう子どもたちに配慮した。万が一子どもがパニックになったときのため、落ち着けるようなスペースも用意した。参加者からは「子どもが安心して見学できた」など好意的な声が寄せられたという。
県障害者福祉推進課の担当者は「今回の試行を踏まえて各施設にクワイエットアワーを設ける場合の課題などを検証し、導入の可否を検討したい」と話している。

SDGsは「Sustainable Development Goals」の頭文字をとった略語で、国連サミットで2015年9月、全会一致で採択された世界共通の行動目標。国や民間企業の取り組みに関する記事をお読みいただけます。