カルビーが工場と飲食店を仲介 菓子や軽食で気分転換

カルビーは23日、北関東3県で工場と地域の飲食店をつなぐ新事業を始めたと発表した。工場内に短時間出店してもらい、従業員がさまざまな店の菓子や軽食を買えるようにする。工場勤務者は衛生管理の都合で休憩中も敷地外に出にくく、同社は気分転換の気軽な買い物に対する需要は大きいとみる。
新事業「FOOD for FACTORY」(フード・フォー・ファクトリー)はプラットフォーム型のサービス。飲食店を誘致したい工場と、地域の飲食店の双方が登録する。工場が出店してもらいたい時間帯や頻度、販売するものの内容などを申請するとカルビーが登録店の中から需要に合う飲食店を紹介。個別に飲食店と契約する必要がないので、誘致の手間が省ける。
料金は月額制で、出店が決まると双方が支払う。金額は規模や出店回数によって異なるが、従業員数100〜150人程度で月4回出店する場合の工場側の料金は月5万円。飲食店は1万円以下だという。
工場内の決められた場所に店側が商品を持ち込み営業する。駐車場にスペースがあれば、キッチンカーを持つ店を招くこともできる。飲食店側が販売員を用意できない場合はカルビー社員が代行するサービスもある。カルビーは工場ごとの売れ筋データを集め、店側が商品をどれくらい用意すれば適当かアドバイスもしていく。
本格的な事業化に先立ち、カルビーの宇都宮市内にある3拠点とミツカン館林工場(群馬県館林市)、デュポンの宇都宮事業所(宇都宮市)で導入した。今後、北関東を中心に導入工場を増やしていく計画だ。カルビーは売上高に占めるこうした食に関する新事業の割合を2030年に20%超とする計画を公表している。