オンライン診療、東京全域で開始 約140人の医師が参加
東京都と東京都医師会は23日、多摩地域で先行実施していた新型コロナウイルス感染者へのオンライン診療を都内全域に広げた。自宅療養者らは在宅のまま医師の診察を受け、薬を処方してもらうことができる。
保健所や都の自宅療養者フォローアップセンターがスマートフォンに送るURLを通じて「仮想待合室」に入室すると、待機中の医師が対応する仕組み。URLは保健所などが必要と判断した場合のみ通知される。診療に伴う療養者本人の費用負担はない。
診察時間は平日の午後6~9時。年末年始(29日~2022年1月3日)は休診とするが、感染状況によっては緊急対応する。
診察後や休診日などで手の空いた医師が輪番制で対応する。約140人の医師が参加し、1日に約50人が診察にあたれる体制を整えているという。都は薬の宅配に同意した約1000の薬局のリストをもとに、解熱剤などの処方が必要なときに配達してもらう。
都などは9月中旬、都が保健所を直接運営する多摩地域でオンライン診療を開始。23区などは自前の保健所を持つため、保健所の管轄地域を越えた個人情報の扱いが、都内全域での展開に向けた課題になっていた。保健所やフォローアップセンターが把握している療養者らの個人情報は医師に提供せずに診療結果のみを共有することで広域展開を可能にした。
- 【関連記事】オンライン診療で応酬 規制改革会議、慎重派に対抗