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金沢工大、ビッグデータで学習支援 助言にAI活用

金沢工業大学は学生の出席状況や成績といったビッグデータを分析し、人工知能(AI)を活用した学習支援を始めた。2004年度以降に入学した約3万人の学生のデータを解析できる仕組みを構築、学生への助言や授業の改善に役立てる。同大学が進める教育のデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環で、つまずきの防止などにつなげる。

デジタルを活用した大学や高専の教育高度化を支援する文部科学省の事業の採択を受け、21年10月にデータ解析ができる仕組みを整えた。学年や前学期・後学期ごとの成績の平均点、授業の出席状況といったデータをクラウド上にコピーし、統合データベースをつくった。匿名化の処理をしたうえで解析ができるようなった。

オンラインで教材を受け取ったり、リポートやテストができたりする「ラーニングマネジメントシステム(LMS)」のデータも活用する。コロナ禍で対面授業が難しくなったのを機に利用が拡大し、現在の学生の状況を知るのに役立つという。

データ解析の結果、分かったこともある。過去の退学者は授業開始の6、7週目あたりから出席率が悪くなる傾向が判明した。単位が取りにくい「難関」科目を抽出し、どのテーマで理解度が下がったかが分かった。分析した山本知仁教授は「科目ごとに把握している先生はいるが、大学全体のデータを見ることができたのは大きい」と話す。

21年度の前学期の成績や出席のデータから、後学期に退学する可能性がある学生を抽出した。過去の退学者のデータから分析すると、数理系の科目の成績などが影響していたという。今後、担当の教員と協力しながら、学生の手厚い支援にいかす。

学生の成長にも生かす。徐々に成績が上昇した学生の科目の履修状況、課外活動などと関連付けて分析することも可能だ。担当教員は学生自身が記入する「自己成長シート」も参考にしながら、本人に合った学びの助言につなげる。

教育DXの一環で、金沢工大は21年度、大画面で離れた場所とつないで授業ができる「多地点等身大接続システム」を導入した。相手の空間や奥行きが分かり、同時に複数の人が話しても理解しやすく、遠隔授業に活用できる。今後、人文社会系など他の大学と連携した授業などを検討する。統合データベースなどにかかった事業費は公表していない。

金沢工大は全学生にAI基礎を必修にするなど数理・データサイエンス・AI教育を強化してきた。大沢敏学長は「一人ひとりにあった教育の展開、他の大学との連携により時間と空間を超えた学習を実現し、教育DXを推進する」としている。

(石黒和宏)

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