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異物混入、高水準で防ぐ 四国化成の新プラント竣工

香川県丸亀市に本社を置く化学品メーカー、四国化成工業の新プラントが4月竣工した。徳島工場北島事業所(同県北島町)の新設備は7月稼働予定で、半導体部品の材料に添加するファインケミカルを少量多品種で生産する。高性能製品を求める声は年々高まっており、金属など異物の混入を極限まで防ぐ設備を整えることで、取引先の需要に応える。

7月に稼働開始を予定する四国化成の新プラントは、異物混入を極限まで抑える(徳島県北島町)

25億円を投じた新プラントが4月、竣工した。延べ床面積約900平方メートルの3階建てで、北島事業所では4施設目となる。3階には化学材料を反応させる釜、2階には遠心分離機などが整然と並び、1階にはクリーンルームが設けられている。四国化成は、スマートフォンなどの電子部品に使われる半導体封止材や接着剤の性能を高める製品を製造しており、新プラントでは新製品の試作から量産まで対応する。

新プラントの特徴は高い水準での異物除去能力にある。金属についてはPPTレベル(PPTは1兆分の1)での管理が可能となっており、設備内の空気もフィルターを通して取り込む。これまで製品取り出し口をクリーンルームとしていたが、新たに精製工程もクリーンルームで実施できるようにした。

あらゆるモノがネットにつながるIoTや車の自動運転などによる半導体需要の増加を、四国化成は生産設備を強化することで取り込んでいきたい考えだ。そのためには高いレベルでの品質管理が欠かせない。電子機器の小型化や薄型化が進み、製品価格も上昇傾向にある中で、化学品の異物が原因でエラーが起きれば損失も大きくなってしまう。

新プラントの管制室で機器の情報を集約し、作業員に通知するシステムも導入した。管制室のモニターには釜の温度や圧力などが表示されている。作業員のタブレット端末に温度の上げ下げや原料の投入など、管制室から必要に応じて指示を出す仕組みにする。

今後、工場を稼働させながらシステムを構築していく考えだ。徳島工場の製造技術課長、中村久展氏は「システムから逸脱した場合はイレギュラーと判定することで、工場全体の品質管理能力向上につなげていく」と話す。少量多品種生産の工場をシステム化するのは珍しいという。

四国化成は長期ビジョン「Challenge 1000」の中で、2030年の売上高目標を1000億円としている。21年3月期の売上高は495億円だった。達成に向けて高付加価値なファインケミカルの強化は不可欠で、その象徴となるような製品を新プラントで生産していきたい考えだ。(桜木浩己)

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