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四国景況感改善鈍く 6月短観、原材料高リスクに

観光などは今後の改善が期待される(香川県琴平町)

四国の景況感が緩やかに改善している。日銀が1日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)では、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業で前回3月調査から2ポイント改善してマイナス8となった。製造業は回復傾向が続いている。ただ先行きでは、原材料価格の高騰や新型コロナウイルスの感染再拡大に警戒感が強まっている。

業況判断DIは、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた値。調査は5月27日~6月30日に実施した。6月前半までに大半の企業が回答しており、直近の状況は反映されていない。

製造業は1ポイント低下してマイナス9だった。業種によって景況感にばらつきはあるものの、全体としては改善方向にある。

食品充塡機メーカー大手、四国化工機(徳島県北島町)の植田滋社長は「需要は底堅い」と指摘する。環境問題を背景に紙容器向けを中心として一定の受注残があり、当面の生産量は確保できているという。ただ、新型コロナウイルスの影響により「客先との面談や海外への訪問が制約されるなど、営業面では課題もある」と話す。

原材料価格の高騰が、先行きの重荷となる可能性もある。製紙業界は木材チップ値上がりの影響が出始めている。大王製紙では為替予約や中期の契約などで影響を避ける工夫をしているが、値上がりに伴いパルプおよび紙製品のコスト増は避けられないという。生産面への影響は生じていない。

非製造業は3ポイント改善してマイナス7だった。人の動きに伴い運輸・郵便が改善した。

感染症の影響を大きく受けた飲食などは厳しい状況が続いている。四国の中で新型コロナウイルスの感染者が減らない高知では、県内全域で7月11日まで飲食店での会食が「4人以下、2時間以内」と制限されるため、夜の街はにぎわっていない。「ワクチン接種が終わるまで打つ手なし」(高知市中心部の飲食店)だという。

飲食店のほかホテル・旅館の宴会も振るわない。高知県旅館ホテル生活衛生同業組合(高知市)が6月1日時点で県内58施設を調べたところ、7月に予約の入った宴会人数は6368人と、コロナが発生する前の2019年7月に比べて8割減だ。「よさこい祭りが中止された8月も予測不能」といった声が上がる。

厳しい状況ながら変化の兆しも見え始める。香川県の観光名所、金刀比羅宮を有する香川県琴平町では、旅館やホテルの組合が発行し、8000円で1万円分の支払いに使うことができる「こんぴら温泉郷ふるさと旅行券」が、5月の販売開始から6月24日時点で約900枚売れた。12月まで使える。販売ペースは例年より遅いものの、問い合わせが足元で増えてきたという。

日銀高松支店長の高田英樹氏は「先行きについて、企業はまだ警戒感を解いていない」と話す。ワクチン接種が進み人の流れが戻れば、四国の景気は回復の動きが強まるとみている。

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