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東京の繁華街の人流増加 専門家、リバウンド懸念

東京都は27日、新型コロナウイルスの感染状況を分析するモニタリング会議を開いた。足元の新規陽性者数は減少傾向にあるものの、変異ウイルスの存在や繁華街の人流増を踏まえ、専門家は先週に引き続き感染再拡大への懸念を示した。都は会議に先立つ26日、31日までとしていた緊急事態宣言の再延長を政府に要請している。

都では4月12日から緊急事態宣言に準じるまん延防止等重点措置、4月25日から緊急事態宣言が発令されている。宣言発出から4週間余りが経過するなか、モニタリング会議では5月20~26日の直近1週間の平均新規陽性者数(人口10万人当たり)は前週比16%減の30.6人と2週連続で減ったことが報告された。

療養者数(人口10万人当たり、5月26日時点)も前週比13%減の39.5人と2週連続で減った。感染状況、医療提供体制ともに最悪期を脱しつつあるように見えるが、感染状況を判断する国の指標ではいずれも最も深刻なステージ4に相当する。

都が緊急事態宣言の再延長を要請した背景には、こうした状況に加えて変異ウイルスの存在と大型連休明けの人出の増加がある。

都内の新規陽性者のうち、英国型などと呼ばれる変異型「N501Y」の割合は8割を超えた。より感染力が強いともいわれるインド型「L452R」も都内で14例見つかっており、うち5例は海外渡航者などとの接触が確認できなかった。専門家ボードの賀来満夫座長はモニタリング会議で「市中に広がっているとまでは言えないが、強い警戒が必要だ」と指摘した。

都医学総合研究所社会健康医学研究センターによると、大型連休明けの都内の主要繁華街の人出は昼夜ともに2週連続で連休中を上回った。今週に入っても増加は続いており、分析した西田淳志センター長はモニタリング会議で「このまま増加が続けば早い段階でリバウンドする可能性が高い」と警鐘を鳴らした。

都は宣言再延長で感染再拡大を防ぎつつ、新型コロナ対策の切り札と位置づけるワクチン接種を加速したい考えだ。1回でもワクチンを接種したのは、26日時点で都内の医療従事者の約70%、高齢者では7%弱にとどまる。会議後に記者団の取材に応じた小池百合子知事は「(ワクチンが浸透するまでの)タイムラグをどう埋めるかがポイントになる」と人流抑制の必要性を訴えた。

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