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島根のローカル線を守れ 沿線4市町が知恵絞る

 JR木次線の宍道駅(18日、松江市)=共同

島根、広島間を走るJR木次線の沿線4市町が、路線存続に向けた活動に力を入れている。過疎化や新型コロナウイルスの影響で利用者が減る中、管轄するJR西日本が低収益のローカル線を廃止する可能性を示唆したためだ。利用者増へ運賃助成制度や法改正の要望など、あの手この手で「地元の足」を守ろうと知恵を振り絞っている。

4市町は島根県の松江市、雲南市、奥出雲町と広島県庄原市。木次線は松江市の宍道駅と庄原市の備後落合駅を結ぶ全長約81キロの単線だ。1日1キロ当たりの利用者数は1987年度の663人をピークに低迷し、2019年度は190人にとどまった。旅客運輸収入はJR西管内の51路線中、3番目に低い約6200万円。JR西によれば、20年度もコロナの影響があり、利用の低迷は続いている。

JR西の長谷川一明社長は今年2月の記者会見で、具体的な路線名には触れずに、低収益のローカル線廃止も含めて地元と議論を進めると表明した。18年に同じく島根と広島間を走る三江線を廃止した経緯があり、地元では「次は木次線か」と危機感が高まった。

そのため、島根県や4市町は21年度、従来の8倍に当たる計約2800万円の予算を計上し、利用促進策を強化。修学旅行や観光客向けに5人以上の団体運賃は10万円を上限に半額にし、木次線から乗り継ぎ中国地方内を移動するバスなどの運賃も割引の対象とする。

4月には、島根県側の3市町などで構成する「木次線強化促進協議会」の石飛厚志会長(雲南市長)らが赤羽一嘉国土交通相に面会。JR西のような鉄道事業者が届け出れば路線を廃止できてしまう現行法を、地元の取り組みや廃止の影響を国が評価する仕組みに改正するよう求めた。

木次線で毎週末、お茶教室に通う出雲市のフィンランド人、タンヤ・セベリカンガスさん(38)は「10人以上乗っているのを見たことがない」と寂しげな様子。20年以上地元で同線を見守ってきた雲南市の安部利昭さん(65)は「通勤で気分を変えたい時に乗車する。経済合理性だけでなく、地域のシンボルとしての存在を考慮してほしい」と語った。〔共同〕

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