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AI活用し誤差少なく 工場向け屋内位置検知システム

金沢市に開発拠点を置くソフトウエア開発の管理工学研究所(東京・千代田)は人工知能(AI)を活用し、建物内のモノや人の位置や動きを「見える化」するシステムを開発した。無線通信ができるタグを壁やモノなどに取り付け、AIに電波の強弱を判断させて位置を検知する。モノの場所を把握したり、人に指示を出したりする製造業や物流業の需要を見込む。

工場や倉庫には原材料や製品などが置かれているが、数量が多かったり、出入りが多い場合は所在の把握が難しい。建物の壁や柱に電波を受発信する固定タグ、位置を把握したいモノや人に検知タグをそれぞれ設置。パソコンやタブレット端末に映し出した平面図にモノや人の位置を表示する。

システムを使う前に、機械や柱といった電波の障害物の影響をAIに学習させる。検知タグを持ちながら、建物内を歩いてもらうという作業で済む。タグの設置から学習まで2日あれば終わるという。100メートル四方の建物の場合、誤差はおおむね1メートル以内。システムの価格は200万円程度。1年目で1000万円の販売を目指す。

既存の位置検知システムとして、ビーコンと呼ばれる電波の受発信器を使うものがある。ビーコンの間の電波の強度で位置を判断する仕組みだが、機械などがあると誤差が大きくなる。管理工学研究所は「ビーコンのシステムとほぼ同じコストで、誤差を5分の1程度に抑えることができる」としている。

製品化のもとになったのが、石川県工業試験場が開発した位置検知の技術。AIで電波の強弱を判断させる仕組みだ。この技術について、同試験場の米沢裕司副部長は「工場のモノが倉庫内で見つからなくなるので困るという相談が寄せられた。これがきっかけとなり、開発した技術だ」と話す。

新しいシステムを導入した会社もある。この会社は完成品を入れるラックに発光ダイオード(LED)付きの検知タグを付け、倉庫で保管する。出荷の担当者がタブレットを操作し、ラックのタグを光らせる。出荷すべき完成品が入ったラックを探す時間の短縮に役立っているという。

管理工学研究所の会社設立は1967年。慶応大学の教員らが創業した独立系のソフトウエア開発の会社だ。日本語ワープロソフトの「松」、日本語データベースソフト「桐」などを開発した実績を持つ。現在は開発拠点は東京のほか、金沢市と福井市にあり、2020年12月期の売上高は約8億5000万円。

(石黒和宏)

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