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地域のいいモノを地元に 地域商社のせとうちイート

2020年に発足した商社のせとうちイート(香川県観音寺市)が、地元住民向けに地域の特産品の売り込みを強化している。同市内の事業者が共同で企画・開発した加工食品の販売を担い、農家から仕入れた果物は地域の個人向けに宅配する。生産者の直接販売を支援することで価格を維持し、農家の所得向上につなげる。

せとうちイートは、観音寺市の公募で選ばれた出口隆幸社長が立ち上げた。20年12月に地元事業者と共同で開業したアオハタ鮮魚店(観音寺市)内で、土産物コーナーを営んでいる。卵など生鮮品のほか、同市特産の「いりこ」や加工食品などを販売する。アオハタ鮮魚店は具を自由に選べる海鮮丼を提供しており、地域の人たちからの利用が多い。訪れる人たちに地域産品を紹介する場となっている。

観音寺信用金庫(同市)が地元事業者を集めて特産品開発を進めているプロジェクト「どっかーん!!と観音寺を盛り上げ隊」(通称どっかんおんじ)にも参画し、いりこや味噌を使ったスープのもとの販売を担う。絶景スポットとして注目を集めるようになった高屋神社(同市)の「天空の鳥居」に設置された自動販売機でも、関連商品は購入できる。

農家から果物を買い取り、個人や事業者に直接販売する事業も手掛ける。兵庫出身の出口社長は観音寺市内の果樹園で生産・販売に携わったことがあり、関東のカット野菜工場では流通についても学んだ。生産から流通まで見てきた経験を生かし、販路の開拓を進めている。

重視するのは価格を農家自身が決められるようになることだ。「農家が収入を増やすためには良い作物を生産し、品質に見合った適切な値段をつけないといけない。そのためには、まず食べてもらうことも大切」(出口社長)

市場を通じた流通は大量流通に適していても、市場価格の影響で収益が下がることもある。せとうちイートは果樹園で働いていた時の知り合いなどに、果物を車で届けている。

農家は生産技術に意識が向きやすい一方で、流通には疎くなりがちという自身の経験から、販売などについて指南するコンサルティングを担う。農家に屋号をつけることで農作物をブランド化し、名前で認知してもらえるようにする。個人への直接販売では品質が安定していないと評価を落としてしまうため、選別は念入りにするよう指導する。

香川県内には複数の地域商社が各地域で事業を進めており、商品開発や首都圏での販路拡大を手掛けている。地域商社同士のつながりも維持しながら、せとうちイートは「地元で地道に」(出口社長)地域産品を販売していく。(桜木浩己)

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