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石川の部品加工が攻勢、IHI元社員の第三者承継順調

IHIの元社員が石川県にUターンし、第三者承継した機械加工の新家製作所(石川県加賀市)が新たな事業展開を始める。建設機械向けなど従来より大きい部品の受注を目指し、2022年春までに加工設備を増設する。IHIで航空機エンジンに携わった経験を生かし、手動式のコーヒーミルなどBtoC(消費者向け)商品の開発も始めた。

新家製作所は1956年創業。2019年9月に当時の社長が亡くなり、親族でも従業員でもない第三者承継を石川県事業承継・引継ぎ支援センター(当時は別名称)に相談。同センターの仲介で20年7月、社長に就任したのが山下公彦氏(56)だ。家庭の事情などもあり、IHIを早期退職し、石川県内にUターンした。

引き継いだ当時は11人体制だった。山下社長は技能伝承や事業拡大に備え、中途で5人を採用した。省力化や技能の標準化を狙った金属パイプなどの加工機、事務効率化のための情報機器をそれぞれ導入、仕事量が徐々に増えてきた。

主力は産業用チェーン向けなど直径20センチメートル程度までの部品。40センチメートル程度の部品まで拡大して受注するため、旋盤やマシニングセンターを増設する。建物の改修などを含めた投資額は1億円程度を見込む。山下社長は「建設機械の部品など新しい仕事を拡大したい」と話す。

BtoC商品の第1弾となるコーヒーミルは21年末にも商品化する。手で回すタイプで、コーヒー豆が安定した粒度になる商品を考えている。「豆を削る技術は、われわれが持つ金属を削る技術を応用できる」(山下社長)という。

山下社長と同様にIHIを早期退職した仲間と連携する。2人ともIHI時代に航空機エンジンの設計または製造に関わった経験を持つ。エンジンの回転などのノウハウを生かすという。新家製作所もコーヒーミルの生産に携わることで、加工技術の売り込みにもつなげる。

21年6月期の売上高は約6000万円。部品加工の範囲を広げると同時にBtoC商品の展開を通じて、24年6月期は倍増を目指す。コーヒーミルを応用し、そば粉をひく機械などの商品化も計画中だ。

県事業承継・引継ぎ支援センターによると、センターが仲介した事業引き継ぎ件数は2020年度が30件と過去最多となった。経営者の高齢化と後継者不足の問題が顕在化しているためで、21年度の相談件数は前年度を上回るペースという。多田久俊センター長は「買い手の相談も増えており、第三者承継が増える可能性がある」とみている。

(石黒和宏)

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