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スポーツ観戦率、宮城が全国2位 楽天効果大きく

データで読む地域再生 東北

東北6県のスポーツ観戦率(2016年)は宮城県が最も高く、全国の都道府県でも2位に入った。04年に創設されたプロ野球、東北楽天ゴールデンイーグルスの効果が大きいとみられる。一方で開催規模は小さくても、地元密着型のスポーツが盛り上がれば、地域の活性化につながる可能性を秘める。

年に1度でもスポーツ観戦した人の割合を都道府県別にみると、宮城県は26.4%で、楽天イーグルス創設前の01年(21.5%)に比べ約5ポイント上がった。本拠地の楽天生命パーク宮城(仙台市)は、新型コロナウイルス禍前の19年には約173万人の観客動員を記録した。

球団は観客増に向けてハード、ソフト両面を整備。球場の定員は05年時点では約2万5000人だったが、改修を重ねて3万人強に増やした。球団職員が米大リーグの球場を視察するなどして「野球観戦だけでなく来場者が1日楽しめるボールパークづくり」(球団の江副翠・総合企画部長)を進めてきた。

盛り上がりを高めるため仙台商工会議所などは「マイチーム協議会」を発足。球団側も商店街などでペナントを飾る際などはイーグルスのロゴを無償で使用できるようにするなど、地元との結びつきを強めている。

スポーツ施設は街づくりの起爆剤になり得る。同球場に隣接した場所にあるJR仙台貨物ターミナル駅は移転を予定している。宮城県は移転後に土地を購入し、約17.5ヘクタールの広大な敷地に広域防災拠点を整備。平時は公園として県民が利用できるようにする方針で、球場側との連携も期待される。

企業が多い宮城県では社会人野球も活発だ。JR東日本東北野球部は利府町の専用の球場で練習を重ねている。コロナ禍前は都市対抗野球の県大会に社員が集って応援に行くことも多く、地域の盛り上がりに貢献している。

宮城県に次いでスポーツ観戦率が高いのが秋田県だ。背景には男子プロバスケットボールの秋田ノーザンハピネッツ(秋田市)の存在がある。東北で唯一、Bリーグ1部(B1)に所属するチームで、熱心なブースター(ファン)に支えられている。

主催試合はスタンドがチームカラーのピンク一色でほぼ埋め尽くされる。チームのTシャツを着て、タオルやメガホンなどのグッズを手に声援を送る。親子連れや3世代の観客も多く、熱量に圧倒されるほどだ。

秋田県にはバスケのプロチームが根付く素地があった。多くの名選手を輩出し、全国制覇58回を数えた県立能代工業高校(現・県立能代科学技術高校)だ。娯楽が少ない冬場に室内競技で楽しめ、雪の心配もない。そうした地域性もハピネッツを後押しする。

新型コロナの感染拡大により20~21年シーズンの主催試合の平均入場者数は19~20年に比べてほぼ半減したが、1660人を記録。B1の20チームのうち9番目と健闘した。

東京五輪で野球・ソフトボールが開催された福島県は「レガシー」効果を期待する。コロナ禍で会場の県営あづま球場(福島市)は無観客だったが、両種目とも日本チームが勝利し、その後金メダルを勝ち取った。

内堀雅雄知事は「験のいい球場を今後、様々な場面で活用する」と述べ、県民らの利用を促進する考えだ。「子どもから年配者まで、五輪(会場の)球場でプレー、応援しているんだとの思いを共有してもらうことも、無観客で果たせなかった復興五輪の思いを果たすためのステップになる」と強調する。

地域に根付いたチームをつくり、スポーツをテコにした活性化につなげられるか。長期化するコロナ禍のなかで、各地域の取り組みと熱意が問われる。

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