香川職人・クリエーター共創作品、JTBが海外販路開拓へ
JTBなどは年内にも、香川県の職人とクリエーターによる共創プロジェクト「SANUKI ReMIX(讃岐リミックス)」で制作された作品の海外販路を開拓する。グループ企業の電子商取引(EC)サイトで香港・台湾向けに試験販売する。需要の低迷や担い手不足などの課題を抱える伝統工芸・地場産業の活性化を目指す。
JTBや地域・企業のブランディングを手がける企業「人生は上々だ」(高松市)と同市は、香川県の職人とクリエーター・アーティストとを結びつけるプロジェクトを実施している。伝統工芸・地場産品に付加価値を持たせる取り組みで、1月には初の作品展示会を開催、販売した。11月には第2弾「讃岐リミックス2」となる展示会を開き海外市場を開拓する。

具体的には日本の文化などに強い関心・興味を持つ海外消費者を対象にしたウェブメディア「FUN!JAPAN(ファンジャパン)」と連携し、同サイトの越境ECサイトで讃岐リミックスの作品を試験販売する。同サイトはJTBのグループ企業が運営しており、アジア最大級の日本紹介メディアとなっている。
現時点では1月の「讃岐リミックス」で制作された「丸亀うちわ」や第2弾の事業作品の2~3品を対象にする予定。丸亀うちわでは伝統工芸士とアートディレクターが共創し、竹材を染めたり、柄などにレーザーで微細な線を刻むといったデザインにした。「日本ファン」に焦点を絞って市場を開拓する。

第2弾の事業では、香川県の伝統工芸「讃岐桶樽(おけだる)」、讃岐うどんや藍染、「保多織(ぼたおり)」といった伝統工芸・地場産業から職人が参加し、プロダクトデザイナーや盆栽師、ビーガンレストランのシェフらと協力して新しい作品を生み出す。11月3~6日に高松市の「玉藻公園」の披雲閣で作品の展示会を開催する。
「人生は上々だ」のCEO(最高経営責任者)でクリエーティブディレクターの村上モリローさんは「うどんも職人さんがすばらしいからここまで発展している。工芸だけでなく様々な職人が活躍して香川県が成り立っている。すばらしさを日本中、世界中に知ってもらえれば、もっと(職人の)担い手も増えてくるし、県の知名度も上がってくる」と話している。
JTBなどは今後、海外のクリエーターとも連携し、海外市場の需要に合わせた作品の開発も視野に入れていくという。(竹内雅人)
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