富山県、富士製薬工業に行政処分 試験の一部で誤り
富山県は19日、医薬品医療機器等法に基づき、後発薬を手掛ける富士製薬工業に業務改善命令を出したと発表した。医薬品の製造過程で不純物の含有量を測定する試験の一部を怠っていたことなどが理由。品質管理の責任の明確化や再発防止の計画策定を求めた。日医工や小林化工(福井県あわら市)など後発薬メーカーを対象にした行政処分が続いている。
富士製薬工業は富山市に工場を持つ。処分の発端になった商品は不妊治療に用いる排卵誘発剤と緊急避妊剤、子宮内膜症の治療剤。富山県は承認書の規定とは異なる方法で試験をしたり、医薬品に有効成分がどのくらい含まれるか確認する定量試験の方法が間違っていたりといった事実を指摘した。1998年ごろからの試験の誤りもあるという。
同社は21年1月に自主的に点検を始め、排卵誘発剤1製品の試験方法に問題があったと判明した。同年6月に富山県に報告して自主回収を始めた。他の製品についても社内調査を進め、ほか2製品についても試験方法に誤りが見つかった。同年12月に調査を終了した。健康被害の報告はないという。