/

購入品をロボットがお届け 神奈川県内で実験相次ぐ

ロボットによる自動配送実験が神奈川県内で相次いでいる。ネット通販が拡大するなか、新型コロナウイルス禍で宅配ニーズがさらに高まり、配達員の不足が懸念されている。安全技術の向上や法整備などハードルは残っているが、各社は実用化を目指して実験を繰り返している。

10月27~28日、横浜市金沢区の金沢シーサイドタウン並木1丁目第二団地で、自動配送ロボットを使って日用品を住民に届ける実験が行われた。団地を管理する都市再生機構(UR)とNTTドコモが企画した。

今回の実験は団地敷地内のみ。ロボットは待機場所から移動し、スーパーを仮想した場所で配送品を積み込む。その後、離れた棟まで自動走行し、住民が受け取る流れ。配送品を入れたロッカーは顔認証やパスワードで解錠する。

車体はテムザック(福岡県宗像市)が開発した電動車いすを活用。自動走行機能や360度映像伝送、顔認証などの技術を搭載した。団地の集会所にオペレーションセンターをつくり、ロボットの自動走行を監視。自動走行からオペレーターによる遠隔操作に切り替える作業もした。

参加した住民からは「ペットボトルなどの重い荷物は助かる」「高齢世代には大きな力になる」と期待する声が聞かれた。URなどは「実験結果は様々なロボットの導入に向けた検討材料にしたい」としている。

横須賀市の公道で3~4月の10日間、自動配送実験をしたのは楽天グループと西友。ロボットが公道を走行し、スーパーの商品を住民に届けるのは初めてだった。西友馬堀店の利用者が同店で購入したりネット注文したりした商品が対象。ロボットは小型の四輪車で、最高速度は時速4キロ、最大で30キログラムの荷物を運べる。

実験でロボットは「左に曲がります」などの音声を発しながら左折するなどして利用者宅に到着した。自動走行時は約5キロ離れた場所でオペレーターが遠隔監視。前方に駐車車両があった場合は遠隔操作に切り替えて回避してから自動走行に戻した。同店のある地域は高齢者も多く、利用者からは「コメや園芸用土など重い荷物の配達は役立つ」などの声が多かったという。

パナソニックは3月、同社の工場跡地を再開発した藤沢サスティナブル・スマートタウン(藤沢市)で、アインホールディングスなどと組んで、処方薬医薬品などをロボットが住宅に届ける実験をした。パナソニックは同タウンでパンなどの自動配送実験も続けており、9月末時点での走行距離は約600キロメートルに上るという。

政府はロボットによる自動配送を成長戦略の一つと位置づけている。法整備の議論も進む。現行制度では明確な法律上の規定がないが、警察庁の有識者検討会は4月、最高速度が一定以下のロボットなどを「歩道通行車」と定義し、歩道への乗り入れも可能とする提言を含む中間報告をまとめた。

利便性を高めつつ、安全性をどう確保するかが最大の課題になる。低速とはいえ、子どもや高齢者と接触すれば深刻な事故につながりかねない。実用化に向けての課題は多いが、そうした課題を丁寧に一つ一つクリアしていけば、近い将来、ロボットが荷物を運んでくれることが当たり前になるかもしれない。

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン