埼玉県教委、高校生らにヤングケアラー支援企画

埼玉県教育委員会は19日、家族の介護や世話を担う子ども「ヤングケアラー」への理解や支援を促すための企画「ヤングケアラーサポートクラス」を始めた。対象は中高生や保護者、教職員ら。専門家や当事者による講演や対話を通じ、学校生活や学業の負担が大きいヤングケアラーの実態を知ってもらう。
19日は県立草加西高校の生徒約700人を対象に、初めてサポートクラスを開催。ヤングケアラーの実態に詳しい森田久美子・立正大教授、ヤングケアラーの経験がある沖侑香里さんが現状を伝えた。森田氏は「若い人が介護によって勉強できなくなる、体調を崩すなどの事態はあってはならない」と強調。沖さんは「友人にヤングケアラーがいるかもしれないと思ってほしい」と訴えた。
県教委が2020年に全国に先駆けて実施した実態調査では、県内高校生の25人に1人の割合でヤングケアラーがいることが判明。県教委は21年度、草加西高を含めた県内の中高7校、県高校PTA連合会に対して支援企画を実施する。