グリラスとNTT東日本、食用コオロギの自動飼育で連携
徳島大学発スタートアップのグリラス(徳島県鳴門市)とNTT東日本は19日、両社が連携して食用コオロギの自動飼育に関する実証実験を始めると発表した。グリラスが飼育全般に関するノウハウを提供。NTT東は都内の自社施設を活用し、1月下旬から遠隔制御による室温の自動管理や、画像認識の人工知能(AI)を使った飼育法の改善などに取り組む。
両社は共同でオンライン記者説明会を開いた。グリラスは徳島県内の拠点でコオロギを養殖し、その粉末を使った菓子やパン、カレーなどを商品化している。ただ飼育現場は手作業に頼る部分が多く、自動化・省力化が課題だった。
NTT東は高度な情報通信技術を生かし、飼育場の温度や湿度、照度、二酸化炭素濃度を自動管理したり、最適なタイミングで餌やりをしたりする独自システムの開発を目指す。一連のノウハウの外販や、自社の遊休施設を使ったコオロギ飼育も視野に入れる。
グリラスは自動車部品メーカーのジェイテクトと提携し、コオロギの自動生産(養殖・加工)ラインの開発を進めてきた。NTT東とは「飼育環境の自動管理」といったソフト面での連携が中心となる。