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北関東地銀6行、貸出残増加 与信費用は6割増

北関東の地銀6行の2021年3月期決算が出そろった。新型コロナウイルスの感染拡大でさまざまな制度融資の利用が活発で、貸出金残高は6行合計で前の期に比べて3%増えた。貸し出し拡大の一方、信用リスクに備える銀行が目立ち、与信費用は約6割増加した。今後は返済状況への目配りのほか、資金繰りにとどまらない取引先の本業支援が求められる。

めぶきフィナンシャルグループの笹島社長㊨は決算説明会で「新型コロナ対応に優先的に取り組んだ」と強調(12日、水戸市)

「新型コロナへの対応に優先的に取り組んだ」。水戸と宇都宮、東京の3拠点をオンラインで結んだ決算説明会で、めぶきフィナンシャルグループの笹島律夫社長は説明した。傘下の常陽銀行と足利銀行合算の貸出残高は、前の期に比べ3%増の11兆2781億円。全体をけん引したのは法人向けだ。特に中堅・中小企業向けは4%増となった。

めぶきFGのほか、群馬銀行筑波銀行栃木銀行東和銀行の貸出残高の合計は22兆3000億円となり前の期比で3%増加。8%増の筑波銀は、中小企業向けが1割強増えた。業種では製造業や建設業、卸売・小売業向けが100億円以上増え、比較的金額の少ない飲食業や生活関連サービス業・娯楽業向けも大幅増。生田雅彦頭取は「今後は第2フェーズの本業支援をやらないといけない」と話す。

貸出金利息が増えたほか、人件費などの経費削減が寄与。最終損益では5地銀・グループのうち3地銀・グループが増益を確保した。筑波銀は10年の合併による誕生後で初めて貸出金利息が増えた。

一方で与信リスクは高まっている。与信関係費用は6行合計で58%増の525億円。なかでも群馬銀は大きく積み増し、前の期比5倍の210億円とした。深井彰彦頭取は「大口取引先の裁判以外の紛争解決(ADR)申請のほか、引当金を厚めに見積もった影響が大きかった」という。

めぶきFGも18%増の224億円。個別貸倒引当金繰入額を前年度の約2倍に引き上げた。「企業倒産は抑えられている状況だが、コロナ禍が長期化しているなかでは十分な引き当てをして事業改善に取り組むことが必要だ」(笹島社長)とする。22年3月期についても年間200億円程度の信用コストを見込んでいる。

筑波銀の生田頭取も「コロナ禍による顧客の破綻は少ないが、中には隠れ廃業もあるように思う。何が起きるか分からないので引き当ては積む」と警戒感を隠さない。

これに対し東和銀は7%減、栃木銀は15%減だった。栃木銀の黒本淳之介頭取は「取引先の倒産は2019年度を下回る件数・金額で推移し、当初想定より実質の与信コストは低く収まった」という。

預金残高の増加も目立った。6行合計の預金残は31兆7000億円と9%増えた。東和銀の江原洋頭取は「借り入れた資金を(リスクに備えて)手元に置いておく企業も多かった」とみる。個人の預金も増えており「10万円給付金などの影響もあった」(江原頭取)とみられる。

各行は今後、預金で集めた資金の使い方が問われる。銀行自身がリスクに備えることと併せて、地域の企業が助成金や借り入れだけに頼らずに、事業を継続、発展させていくための伴走支援が求められる。

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